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不動産の重要知識

賃貸の連帯保証人のリスクを解説

住む家を賃借する場合、不動産賃貸仲介会社や物件のオーナーに「連帯保証人」を立てるように求められます。これまでに「連帯保証人になって欲しい」とお願いされた方もいるのではないでしょうか。

この記事では、連帯保証人とは何か、連帯保証人になれる人の条件、連帯保証人はどこまでの責任を負うのか、連帯保証人にはどのようなリスクがあるのかを解説していきます。

1.連帯保証人とは

連帯保証人とは、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人のことをいいます(民法第454条)。

(1) 保証契約とは

保証契約とは、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その債務を履行する責任を保証人に課す契約のことをいいます(民法第446条第1項)。

保証契約の締結は、債権者、つまり賃貸人(家を貸す者)と保証人との間でされ、また形式的な要件として書面ですることが求められています(同条第2項)。

そのため、仮に口頭のみで契約をしたとしても、その場合には効力を生じません。

(2) 「連帯保証人」と「保証人」の違い

単なる保証人の場合であれば、賃貸人が保証人に家賃の請求をした場合には、その保証人は、「先に債務者・賃借人(家を借りている人)に家賃の請求をしてください」と主張することができます(民法第452条)。

また、賃貸人が保証人より先に賃借人に家賃の請求をした場合でも、保証人が賃借人に家賃を払う資力があり、賃借人の財産へ執行が可能なことを証明した場合には、賃貸人はまず、先に賃借人の財産に執行をしなければなりません(民法453条)。

このように単なる保証人の場合には、賃貸人は先に債務者の財産へ執行の手続きを取らなければならないので、保証人の財産への執行はその後にする補充的なものになります。

しかし、連帯保証人の場合には、先に賃貸人に賃借人に請求することを求めたり、賃借人の財産に執行をすることを求めたりできません(民法454条)。
言い換えると、連帯保証人は賃借人と同じ責任を負っているということができます。

そのため、家を借りる場合に限らず、保証人が要求されるほとんどのケースで単なる保証人ではなく、「連帯保証人」を立てるように求められます。

2.連帯保証人の責任の範囲

連帯保証人の責任の範囲は、主たる債務である賃料、その他賃料に関する利息、違約金、賃借物件を毀損した場合などの損害賠償その他債務に従となるすべてのものを含みます(民法第447条第1項)。
また、保証債務についてのみ約定される違約金や損害賠償も含まれます(同条第2項)。

つまり、賃料だけでなく、賃貸借契約から派生する様々な債務についても賃借人と同様の責任を負います。保証債務についてのみ定められた違約金や賠償金がある場合は、賃貸人の責任よりも、保証人の責任の方が重いものとなるわけです。

もっとも令和2年4月に施行された改正後の民法では、賃貸借などの一定の範囲に属する不特定の債務の保証契約について個人が保証人となる場合(個人根保証契約)では、保証人の責任の範囲を極度額に限定すると規定されることとなりました(民法465条の2第1項)。

なお、極度額については書面での合意が求められており、極度額の定めがない場合や極度額の定めが書面でされていない場合には保証契約は無効となります。(民法465条の2第3項、446条第2項)

[参考記事] 民法改正による連帯保証人制度の変更点は?限度額など解説

3.地震や火災のケースでの保証人の責任

(1) 賃借人が火災を起こした場合

賃貸借は契約終了後、賃借人が賃貸人に対し、物件を原状回復させた上で返還することが契約の内容の一つになっているため、賃借人の故意・過失行為が原因で火災を起こしてしまった場合にはこの義務を果たすことができず、債務不履行となります(民法601条、621条、400条)。

したがって、賃貸人から賃借人への債務不履行を原因とする損害賠償責任が発生し、保証人はこの損害賠償責任を負うこととなります。

(2) 近隣の火災に巻き込まれた場合

近隣の火災に巻き込まれた場合には賃借人の故意・過失行為によって物件を返還することができなくなったわけではないことから、債務不履行と評価されることはなく、賃借人が責任を負うことはありません。そのため、保証人もその責任を負うことはありません。

[参考記事] 賃貸アパートで火事・火災|大家が負う責任や義務は?

(3) 地震の場合に保証人は責任を負うことになるか

地震による物件の損壊は、不可抗力であり、賃借人の故意・過失行為によるものではありません。

よって、債務不履行とは評価されず、賃借人が責任を負うことはなく、そのため保証人もその責任を負うことはありません。

[参考記事] 地震で賃貸にひび割れが起きたら誰が責任を負う?

4.賃借人又は連帯保証人が死亡した場合

(1) 賃借人が死亡した場合

賃借人が死亡した場合には当然に賃貸借契約が終了するのではなく、賃借人の相続人に賃借権が引き継がれることとなり、連帯保証人は責任を免れることはありません。

(2) 連帯保証人が死亡した場合

連帯保証人となった者が死亡したとしても保証契約が終了することはなく、連帯保証人の相続人が連帯保証人の地位を引き継ぐこととなります。

(3) 賃借人又は連帯保証人が死亡した場合には元本が確定する

改正後の民法では、賃借人又は連帯保証人が死亡した場合には元本が確定すると規定しています(第465条の4)。

そのため、令和2年4月以降に契約した賃貸借については、元本が確定した以後に生じた損害賠償責任や賃料の支払い請求などの責任を連帯保証人又は連帯保証人の相続人が負うことはありません。

5.連帯保証人のリスク

既に解説したとおり、連帯保証人は債務者と同じ立場で、賃料のみならず、付随関連する利息や損害賠償責任などを負い、その責任の範囲は広く、重いものになります。

また、賃借人が死亡したとしてもその責任を免れることはありません。さらに、自身が連帯保証人となり、死亡した場合には相続人である子どもなどにも保証債務を相続させる結果となるなど、将来的なリスクは大きなものとなります。

6.まとめ

不動産賃貸借契約の連帯保証人は、改正前の連帯保証契約の場合、賃借人と同じ責任を負担し、その上限はありません。したがって、賃借人が失火で賃貸物件を全焼させてしまった場合や長期間にわたり賃料を滞納した場合など、多額の債務を負担したケースでも、連帯保証人は、その全額を支払う義務があります。

改正後の連帯保証契約の場合は、極度額が定められているので、責任を負う上限は決まっていますが、やはり他人の負債について責任を負わなくてはならない点では同じです。

実際に、他人の保証人となったために自己破産を余儀なくされることは珍しいことではありません。

したがって、連帯保証か否かを問わず、安易に他人の保証人にはなるべきではありません。

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