用語集

あ行

明渡猶予制度(あけわたしゆうよせいど)

賃貸借の物件が抵当権実行により競売された場合に、競売における買受の日から6ヶ月間は賃借人が当該不動産を明け渡さなくてよいとする制度です(民法395条1項)。

なお、この明け渡すまでの期間中は、競売における買受人に賃料と同額を支払います。
もし催告を受けても支払わない場合は、上記6ヶ月の期間中でも明渡しを拒むことはできなくなります(同条2項)。

預り金(あずかりきん)

預り金という言葉は多義的ですが、不動産においては、賃貸物件への入居前に一時的に支払う金銭のことで、「内金」や「申込金」とも呼ばれます。

正式に物件に申し込むと、その物件の募集を一時停止し、申込者が第一に入居審査を受けますが、この申込みの際に預り金が必要なことがあります。
契約成立後には返還、または初期費用に充当されます。

印紙税(いんしぜい)

印紙税とは、契約書や領収書などに課税される税金のことで、これらの書類の作成者が収入印紙を貼付して納付します。
契約金額等によって税額も異なります。

印紙税のかかる文書としては、不動産等の譲渡や土地の賃借権の設定等に関する契約書、工事等の請負契約書など様々です。
なお、2022年3月31日までに作成される一部の文書については軽減措置があります。

オーバーローン(おーばーろーん)

オーバーローンとは、例えば住宅ローンであれば、住宅の価格よりローンの借入金額が高い場合のことを言います(住宅以外でも同様です)。
例えば、頭金なしで、かつ諸経費の分もローンを組んだ場合、住宅価格よりさらに数%ローンの方が高くなります。

自己資金なしで購入できるメリットはありますが、当然返済額も多くなるため、オーバーローンを検討する際は十分注意が必要です。

か行

解除通知(かいじょつうち)

契約の解除を求める通知のことです。
解除には様々な状況がありますが、不動産の場合は長期間の賃料滞納などが身近な解除例です。

合筆(がっぴつ(ごうひつ))

土地の個数を登記簿上で数える場合、「筆」という単位を使い、登記簿上1つの土地は「一筆」と呼びます。
合筆とは、二筆以上の土地を登記簿上一筆にまとめることを言います。

合筆には制約があり、相互に接続していない土地や、地目・地番区域が異なる土地、所有権の登記名義人が異なる土地は原則として合筆できません(不動産登記法41条)。

なお、合筆とは逆に登記簿上一筆の土地を複数に分けることを「分筆」と呼びます。

仮差押(かりさしおさえ)

金銭の支払いを目的とする債権について、次のいずれかの場合に相手方の資産を仮で差し押さえる手続きです(民事保全法20条)。
・強制執行をすることができなくなるおそれがある
・強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがある

例えば、取引相手が売買の代金を支払わない場合、通常は訴訟を経て確定した勝訴判決を得たうえで、相手方の資産の差し押さえを行う(強制執行)ことになります。
しかし、訴訟は半年~1年程度かかることが通常で、その間に相手方が資産を費消してしまうと、勝訴したとしても債権を回収できなくなる可能性もあります。
このような事態を防止するため、仮差押を裁判所に申し立てることができます。

もっとも、裁判所に仮差押命令を出してもらうためには、担保金を積む必要があります。

管理会社(かんりがいしゃ)

管理会社は、集合住宅やビル等のメンテナンスや退去後の原状回復、日々のメンテナンスや家賃等の管理、入居者募集などを行う会社です。

所有者が直接こうした管理を行うことは負担が大きく、現実的に不可能な場合が多いため、日常の管理を管理会社に委託します。
また、分譲マンションであっても、管理組合から日常的な管理を管理会社へ委託するケースも多いです。

期限の利益の喪失 (きげんのりえきのそうしつ)

期限の利益とは、ある債務(例えば賃料支払いや貸金返還等)に期限があることで当事者が受ける利益です。
期限が設定されていることで、その期限までは履行を先延ばしできるため、通常は債務者に期限の利益があります(民法136条1項)。

そして、期限の利益の喪失とは、上記の期限の利益を失い、直ちに債務の履行が必要になるということです。
期限の利益を喪失する事由は、民法で定められたもの(民法137条)と、契約によるものがあります。
契約によるものは、例えば重大な契約違反をしたり、毎月履行すべき支払いの遅延が続いている場合などがあります。

基準地価(きじゅんちか)

基準地価は、毎年7月1日時点での全国の「基準地」の地価を9月頃に公示するもので、土地取引の目安となる指標の1つです。

全国の基準地は2020年で21,519地点あり、各都道府県で土地の用途別に細かく設定されています。
これらの基準地について、各地点1人以上の不動産鑑定士が鑑定評価し、これに審査と必要な調整を行って公示します(国土利用計画法施行令9条)。

共益費(きょうえきひ)

共益費は、集合住宅等において、共同で利用する設備等の維持管理に使う費用のことです。
例えばゴミ集積所の清掃費用、共用部分の電気代や清掃費用、エレベーターの電気代や定期点検費用等が含まれます。

管理費と似た意味であるため、物件によっては管理費のみを設定していることも多いです。

境界(きょうかい(けいかい))

土地の登記簿上の「地番」の区切りのことです。一般用語として、隣家との境のことを指すことも多いです。

不動産の売買においては、通常はこの境界を売主から明示します。

また、登記簿上の境界をまたいで現地に建物があるケースや、建物の従物が境界からはみ出しているケースもあります。このような場合はトラブルの原因となりますので注意が必要です。
こうした境界のトラブルを解決する方法として、筆界特定制度というものがあります。

強制執行(きょうせいしっこう)

例えば売買代金を支払ってもらえない、契約解除したのに賃借人が立ち退かないといったように、相手方が任意に履行しない場合に強制力を持って請求権を実現するものです。
強制執行を行うには「債務名義」が必要です(民事執行法22条)。債務名義には、確定判決、和解調書、調停調書、執行認諾文言付き公正証書(執行証書)などがあります。

強制執行によって実現される内容は請求権によりますが、例えば金銭債権であれば相手方の給料、預貯金および不動産等を差し押さえ、明渡しであれば執行官が建物の明渡しを行います。

強制執行の手続きは債務名義によって一部異なりますので、弁護士にご相談ください。

共有持分(きょうゆうもちぶん)

複数人で所有権等を共有しているとき、その共有物に対して有する権利の割合のことを共有持分と言います(その権利自体は「共有持分権」と言います)。

例えば家を1人で所有している場合はその1人の「所有」ですが、夫婦で所有している場合は夫婦の「共有」になり、夫婦にはそれぞれ共有持分権があります。
共有持分は1/3と2/3のように自由に設定できます。また、所有権と同じように自己の共有持分権は原則として自由に処分(売却や譲渡等)が可能です。

共用部分(きょうようぶぶん)

マンションを購入した場合、区分所有権という所有権の形になりますが、この区分所有権によって所有する部分のことを専有部分と言い、その他の部分は共用部分と言います。
例えば、廊下や階段、エレベーター、ゴミ集積所などは典型的な共用部分ですが、専有部分以外の全てなので、様々な共用部分があります。利用規約によって定められていることもあります。

なお、共用部分の持分は、区分所有者の専有面積割合に応じて決まります。

金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)

将来の返済を約束して金銭を借り入れる契約です(民法587条)。
多くは銀行などの金融機関が貸主となります。

住宅ローンも金銭消費貸借契約の一種で、銀行との契約書では「金銭消費貸借抵当権設定契約」などとしている場合もあります。

区分所有権(くぶんしょゆうけん)

区分所有権とは、マンションなどのように1つの建物が構造上数個に独立して区分されている場合に、その各独立した区分を所有する権利のことを言います。

区分所有権の及ぶ範囲は「専有部分」に限られ(通常は住戸の内側)、廊下や階段などは「共用部分」と呼ばれます。

競売(けいばい(きょうばい))

競売とは、債権者の申し立てによって裁判所が行う売却手続きのことです。

例えば住宅ローンの返済が長期間滞ったときなどは、債権者が担保不動産(住宅)の売却手続きを行い、その売却代金から債権を回収します。
競売では市場価格より安価で売却されることが多いです。

競売開始決定通知(けいばいかいしけっていつうち)

債権者が債権を回収するために競売を申し立て、裁判所が受理して競売手続きが開始されたときに送られてくる書類です。

例えば、住宅ローンを6ヶ月以上など長期に渡って滞納すると、保証会社が銀行に立て替え払いし、その後保証会社からの請求にも応じない場合、自宅などの担保不動産を差し押さえられることになります。
この差し押さえの手続きが開始されたことの通知が「競売開始決定通知」です。

原状回復(げんじょうかいふく)

原状回復とは、賃貸借契約が終了した際に、賃借物について生じた損傷等を入居時の状態に戻すことを言います。
通常、賃借人がこの原状回復義務を負います(民法621条本文)。ただし、損傷について賃借人に責任がない場合は除きます(同条ただし書)。

例えば、タバコのヤニによる壁紙の変色や、ペットによる柱の傷等は、通常は賃借人の原状回復義務の範囲内です。他方、自然災害による破損や家具や家電による床の凹み跡などは賃借人の責任ではなく、また通常の生活で避けられない損耗ですので、賃借人は原状回復義務を負いません。
また、こうした法定の原状回復義務とは別に、ルームクリーニング代等を賃借人の負担とする契約もあります。

なお、民法改正(2020年3月31日)までに締結した賃貸借契約の場合は改正前民法が適用されますが、改正前後で基本的な考え方は変わりません。

公示地価(こうじちか)

国土交通省の土地鑑定委員会から公示される毎年1月1日時点の全国の標準地の土地価格で、土地の評価額の基準の1つです。
標準地は2020年で26,000地点あります。

戸境壁(こざかいかべ(とざかいかべ))

集合住宅において、隣の住戸との間にある壁(住戸同士を区切る壁)のことです。
法令で一定の遮音性や耐火性を備えなければならないとされています(建築基準法30条、同法施行令114条1項)。

固定資産税(こていしさんぜい)

固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産(固定資産)を所有する人に課される税金のことです。
毎年4月頃に納税通知書が送付され、一括納付か4回の分納かを選ぶことができます。

また、年の途中で不動産を購入する場合、売主と買主で合意のうえ、固定資産税額を按分することが多いです。

さ行

敷金(しききん)

敷金とは、賃貸借契約において賃借人から賃貸人に支払う一定の金銭のことで、賃貸借契約の担保としての性質があります。
例えば、賃借人が賃料を滞納した場合に敷金から補填したり、賃借人の責任で物件が破損した場合に退去時に修繕費用を敷金から充当したりします。

礼金とは異なり、上記のように敷金を充当することがなければ賃貸借契約の解約後は返還される性質のものですが、現実的には修繕費用等にあてられ、全額返還されることは多くありません。

敷地延長(しきちえんちょう)

道路に接していない奥まった土地については、道路と接するよう通路部分の土地があります。この通路部分を敷地延長と呼びます。

都市計画区域内で建築物を建てる際は、敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していいなければならないという「接道義務」が定められているため(建築基準法43条、42条)、このように敷地延長で奥まった土地と道路をつなぐ必要があるのです。

また、敷地延長を含む敷地全体を「旗竿地(はたざおち)」と呼びます。

借地権(しゃくちけん)

建物の所有を目的とする土地の賃借権または地上権のことを言います(借地借家法2条1号)。
借地の所有権は所有者(借地権設定者)にありますが、地代を支払うことで土地を賃借し、建物は自己の所有になります。

「建物の所有を目的」ですから、例えば駐車場目的や資材置き場目的でバラックが立てられている程度の土地の賃借権は「借地権」ではありません。
一方、建物の構造や用途などは問われません。事業用でも居住用でも建物所有目的であれば借地権になります。

借地権にはいくつかの種類がありますが、法改正があったことで、大きく1992年7月31日以前から土地を借りている場合(旧借地法)と、同年8月1日以降に借り始めた場合(借地借家法)とで分けられます。
法改正前後で様々な違いがありますが、旧法の頃から借りている場合のほうが借地人の保護が強いです。

また、法改正後の借地権には5つの種類があります(普通借地権、定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権)。

修繕積立一時金(しゅうぜんつみたていちじきん)

通常の修繕積立金とは別に、大規模修繕等のために臨時的に用意する修繕費用のことです。

マンション等に限りませんが、建物は経年劣化していきますので、定期的にメンテナンスする必要があります。日々の管理だけではなく、ある程度の周期ごとに外壁などを修繕することは、建物を長持ちさせ、価値を維持することに繋がります。
そのため、マンションは十数年に1度、大規模修繕工事を行うことが多いです(長期修繕計画に従って行います)。
しかし、大規模修繕工事は高額な費用がかかるため、日常の修繕積立金では足りないことも多く(滞納する入居者がいる影響もあります)、修繕積立一時金を臨時徴収して行うのです。

なお、最近では「修繕積立基金」を新築時から初期費用として徴収しておく形式も増えています。

修繕積立金(しゅうぜんつみたてきん)

修繕積立金とは、マンション等のメンテナンスにかかる費用を毎月区分所有者から少しずつ支払い、積み立てるものです。

マンション等に限りませんが、建物は経年劣化していきますので、定期的にメンテナンスする必要があります。日々の管理だけではなく、ある程度の周期ごとに外壁などを修繕することは、建物を長持ちさせ、価値を維持することに繋がります。
そのため、マンションは十数年に1度、大規模修繕工事を行うことが多いです(長期修繕計画に従って行います)。

修繕積立金は、こうした大規模修繕工事のほかエレベーターや機械式駐車場等の設備の補修や、管理組合が妥当と判断した修繕に使われます。

重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)

重要事項説明とは、売買や賃貸借などの不動産取引において、宅地建物取引業者(不動産業者)が契約上重要な事項について説明することで、必ず宅地建物取引士が行うこととされています。
また、重要事項は書面に記載し、取引当事者に「重要事項説明書」として交付する必要があります。

重要事項説明の内容は、取引不動産の権利関係や法令上の制限、不動産の状態、および契約の条件などとされていますが、改正が多く、必ず最新の情報を確認しておく必要があります(宅地建物取引業法35条および関連法令)。

準共有(じゅんきょうゆう)

所有権以外の財産権を共有することを準共有と言います。例えば賃借権を複数人で共有する場合などがあります。

基本的な規律は通常の共有と変わらず、持ち分に応じて共有物全体の使用が可能です。また、共有物の保存行為は単独でできますが、管理行為は共有持分の過半数で決め、共有物全体の処分は全員一致で決めます。

償却金(しょうきゃくきん)

償却金とは、アパート等の賃貸物件に入居する際に払った敷金や保証金のうち、退去時に返還されない金銭のことです。
例えば、敷金は本来は充当するものがなければ退去時に返還される性質のものですが、予め一定額を償却するとする契約もあります。この償却される分が償却金にあたります。

接道義務(せつどうぎむ)

接道義務とは、都市計画区域内で建築物を建てる際に、敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していいなければならないという義務のことです(建築基準法43条、42条)。

接道義務を満たさない土地は、現在ある建物はそのままで問題ありませんが、接道義務を満たさなければ新築はできません(同法6条)。
そのため、幅2メートル以上の通路を設けることで接道義務を満たしている土地があり、このような土地を「旗竿地」と呼びます。

善管注意義務(ぜんかんちゅういぎむ)

善管注意義務とは、当該取引について社会通念上一般的に要求される程度の注意義務のことです。正確には「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる」とされています(民法400条)。
したがって、具体的な義務内容は、債務者の立場や取引の内容等によって異なりますが、少なくとも自分の財産の管理よりは注意しなければならないのが通常です(※)。
また、一般的に専門家には高い水準の義務が課されることが多いです。

※善管注意義務とは別に、「自己の財産に対するのと同一の注意をなす義務」というものがあり、これは善管注意義務より軽いものとされています。

占有(せんゆう)

占有とは、物に対する事実上の支配があるときのその状態のことを言います。

例えば、賃貸借契約を解除されたにも関わらず賃借人が当該賃貸物件を立ち退かない場合、賃借人によって占有されていると言えます。
このように、法的に正当化する権利(本権)がなくても生じるのが占有です。

なお、占有にも「占有権」という権利が与えられています(民法180条以下)。

占有移転禁止の仮処分(せんゆういてんきんしのかりしょぶん)

占有移転禁止の仮処分とは、明渡し請求の際に訴訟の相手方となる者を固定する制度です(民事保全法23条1項)。

例えば、賃貸借契約を解除し、退去してもらいたい賃借人に対して建物の明渡し請求訴訟を行い、勝訴したとしても、実際に建物を占有している者が別にいる場合等は強制執行できない可能性があります。
そこで、訴訟提起時に占有移転禁止の仮処分を申し立てることで、もし訴訟中に第三者に建物を引き渡されてしまっても、仮処分時の占有者に対する判決で強制執行が可能です(民事保全法62条)。

リスクを抑える便利な制度ですが費用や手続きの手間もかかるため、明渡し請求の際は、占有者の性質や状況等、個別の事情を考慮して仮処分を申し立てるかを判断します。

専有部分(せんゆうぶぶん)

マンションを購入した場合、区分所有権という所有権の形になりますが、この区分所有権によって所有する部分のことを専有部分と言います。
その他の部分は共用部分と言います。

一般的には個別の住戸部分が専有部分ですが、法律上の区分はなく、それぞれのマンションの管理規約に定めがあれば、その管理規約に従うことになります。

相続登記(そうぞくとうき)

相続によって不動産等について登記できる権利を取得した際に行う登記のことを言います。
登記とは、権利について対外的に示すためのものです。

相続登記では不動産の所有権について登記することが多く、これを「相続を原因とする所有権移転登記」と呼びます。

双務契約(そうむけいやく)

双務契約とは、契約当事者の双方が対価関係にある債務を負担する契約のことです。
例えば、売買は買主が代金の支払い債務を負担し、売主が財産権の移転債務(物の引渡し等)を負担する双務契約です。

これに対して、一方のみが債務を負担する契約を片務契約と言い、例えば贈与などは典型的な片務契約の1つです。
なお、負担付贈与のように対価関係がある双務契約のように見えて、実際には片務契約である契約もあります。

代位弁済(だいいべんさい)

代位弁済とは、弁済による代位という法的な効果が生じる弁済のことを言います。
弁済による代位とは、債務者以外の者が債務者に代わって弁済することにより、その弁済者に、代位した分についての求償権が生じるだけでなく、債権者の権利を代位して行使することを認めるものです(民法499条、501条)。

例えば、住宅ローンを組んだものの返済が滞り、保証会社が代わりに返済した場合、今度は保証会社から借主に請求されます。
通常、3ヶ月程度の滞納から保証会社が代位弁済しますが、その後、保証会社へは滞納分と遅延損害金を一括して返済することになります。
なるべく代位弁済が生じる滞納は避けるべきでしょう。

た行

退去費用(たいきょひよう)

通常、賃貸物件から退去する際に賃借人から賃貸人へ支払われる費用のことを言います。

退去費用の殆どは原状回復費用ですのでまず敷金が充当されますが、多くの場合は敷金だけでは足りず、追加で賃借人が支払います。
また、原状回復費用のほか、エアコンクリーニング代やルームクリーニング代を退去時に負担する賃貸借契約もあります。

賃貸借において退去費用は非常にトラブルになりやすい問題で、賃貸人・賃借人ともに、契約時から十分に注意する必要があります。
国土交通省の原状回復に関するガイドラインに目を通したり、退去時に立ち会う、トラブルにならないよう契約書に明示する等の対策を取るようにしましょう。

担保物件(たんぽぶっけん)

担保物件とは、債務の弁済を担保(保証)するために債権者に提供する物件(物)のことです。
提供と言っても、抵当権のように、実際に物件を渡すわけではなく、抵当権という権利を物件に設定し、もし債務を弁済にできなかった場合には物件の差し押さえ等を受けるというものもあります。

例えば、住宅ローンを組む際は購入する不動産に抵当権を設定することが通常で、その不動産が「担保物件」になります。
なお、この設定される抵当権などのことを「担保物権」と言います。

担保物権(たんぽぶっけん)

担保物権とは、債務の弁済を担保するために「物」に対して設定する権利のことです。
例えば住宅ローンを組む際に、金融機関からお金を借り、購入する家に抵当権を設定しますが、この抵当権は担保物権の代表的なものです。

抵当権、質権、先取特権、留置権が民法に定められているほか、法定外の担保物権として、譲渡担保や所有権留保などもあります。

なお、「担保物件」という場合は、この抵当権等を設定する「物」自体を指します。

地価公示(ちかこうじ)

土地の公的価格の1つで、国土交通省の土地鑑定委員会から毎年1月1日時点の「公示地価」が公示されます。
この公示のことを「地価公示」と呼びます。

賃借人(ちんしゃくにん)

賃貸借契約において、賃貸物件をお金を払って借りる借り主のことです。

賃貸借契約(ちんたいしゃくけいやく)

当事者の一方(貸主)が相手方(借主)に対して物の使用収益をさせ、相手方はその賃料を支払う契約です(民法601条)。契約終了時には貸主へ返還されます。

例えば、アパートの一室を借りる、一戸建てを借りる、家を建てるために土地を借りる、事務所のためにビルを借りる、これらは一般的には全て賃貸借契約です。

賃貸人(ちんたいにん)

賃貸借契約において、賃貸物件をお金をもらって貸す貸主のことです。

定期借家(ていきしゃっか)

一定の契約期間満了によって自動的に賃貸借が終了する借家契約です。
期間満了後も賃貸借を継続する場合は、賃貸人と賃借人が合意の上で改めて契約を締結することになります。

この定期借家にかかわる借家権を「定期借家権」と呼びます。

抵当権(ていとうけん)

抵当権とは、債務が弁済されない場合に備えて債務者や第三者から不動産(または地上権、永小作権等)を担保にし、実際に弁済されなかった場合にはその不動産を競売する等によって弁済されなかった債務に充当できる権利のことです(民法369条)。
例えば、家を買って住宅ローンを組む際、その家に抵当権を設定することがよくあります。その後、ローンの返済が滞った場合に、債権者(金融機関)は抵当権を実行して家を競売にかけることで、その競売の代金から優先して弁済を受けることができます。

抵当権消滅請求(ていとうけんしょうめつせいきゅう)

抵当権消滅請求とは、抵当不動産の第三取得者(購入した人等)が、抵当権者に代価(通常は抵当不動産の価額相当額)を提供し、抵当権の消滅を請求することです(民法379条)。

抵当権消滅請求があった場合、当該不動産に登記した全ての債権者が第三取得者の提供した代価(金額)を承諾し、かつ第三取得者が金額を払い渡しまたは供託すると、抵当権が消滅します(民法386条)。

なお、この抵当権消滅請求は、抵当権の実行として競売による差し押さえが効力を発生する(民事執行法188条、46条1項)前に行う必要があります(民法382条)。

抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)

抵当権抹消登記とは、不動産に設定された抵当権設定登記を登記簿から抹消するための登記手続きのことです。

例えば、家やマンションを購入するために住宅ローンを組む際、金融機関から求められる担保として購入する家に抵当権を設定することが多いです。
この抵当権は直ちに不動産に登記されますが、その後住宅ローンを完済しても自動的に抵当権の登記が消えることはありません。
そのため、完済後は抵当権抹消登記手続きを行うことになります。

登記(とうき)

権利関係を対外的に示すための制度が登記です。法務局の登記所が取り扱っています。
不動産においては所有権や抵当権でよく登記を行います。

登記を行わなくても実際の権利に変わりはありません。
ただし、例えばある家を買って登記しないでいると、売主が同じ家を別のXさんにも売り、Xさんが登記してしまった場合、登記していなかった人はXさんに家の所有権を対抗(主張)できません(民法177条)。Xさんとの関係では正当な権利なく占有している人になってしまいます。

このように、登記は自己の権利を主張するために非常に重要なものですので、必ず行うようにしましょう。

登記事項証明書(とうきじこうしょうめいしょ)

登記簿の内容を記載し、その記載が真正のものであると証明する書面です。
不動産の場合、全部事項証明書・現在事項証明書・一部事項証明書・閉鎖事項証明書があり、記載内容によって名称が異なります。

なお、登記簿謄本・抄本との違いは、登記所においてコンピューターで管理されていれば登記事項証明書、登記用紙で管理されていれば謄本・抄本というだけで、内容や証明の効力としては同じものです。

登記簿(とうきぼ)

登記簿とは、権利関係を記載した公簿のことです。
不動産登記簿は、「表題部」と「権利部」に分かれており、権利部はさらに「甲区」と「乙区」に分かれています。それぞれ次のような内容が記載されています。
例:建物の登記簿
表題部:所在、地番、家屋番号、種類、構造、床面積等が記載されています。
権利部甲区:現在の所有権、これまでの所有権の移転時期や原因(売買や相続など)等が記載されています。差押え等も権利部甲区に記載されます。
権利部乙区:抵当権や地上権など、所有権以外の項目が記載されています。

な行

内容証明郵便(ないようしょうめいゆうびん)

内容証明郵便とは、送った内容の控えが郵便局と差出人に残る郵便を言います。郵便局によって日付も記入され、「いつ、どのような内容を、誰から誰に差し出したか」ということを郵便局が証明してくれます。
また、これに配達証明をつければ配達された事実とその日付も明らかにできます。
時効が迫っている場合の請求や、賃料不払いの際の催告など、様々な意思表示に利用されます。

ただし、受け取った人が本当に宛先の人物であることは証明できず、送付した内容が真実であることも証明されません。

任意売却(にんいばいきゃく)

住宅ローン等の返済が困難になった場合に、債権者(不動産の担保権者)と合意のうえで担保不動産を売却することです。

例えば住宅ローンであれば、返済が滞って担保権を実行されると競売になりますが、競売では市場価格より安値になってしまうのが一般的です。
任意売却では、担保権者との交渉は必要ですが、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。

根抵当権(ねていとうけん)

根抵当権とは、予め定めた一定の範囲の不特定の債権について、極度額(上限額)の範囲で担保する抵当権のことです(民法398条の2第1項)。

継続的な取引を行う当事者の間で、それぞれの取引について毎回抵当権を設定していては大変な手間ですし、登記の費用もかさみます。
例えば、事業を営んでいて銀行からの借り入れと返済が何度も繰り返される場合、その都度抵当権を設定するのは現実的ではありません。そこで、一定の取引については、極度額の中で何度でも借り入れと返済ができるようにしておくのが根抵当権です。

は行

筆界特定制度(ひっかいとくていせいど)

筆界とは、登記簿上の土地の範囲の区切り(境界線)です。

法務局に、実際の現地における筆界(土地の境界線)を特定してもらうのが、筆界特定制度です。
例えば、隣家との土地の区切りがどこにあるか、両者で言い分が食い違い、争いになることがあります。
従来は訴訟で解決していましたが、2006年からこの筆界特定制度が導入され、時間的にも費用的にも訴訟より負担を軽く抑えて解決することが可能になりました。

なお、筆界はあくまで登記簿上の境界線ですから、土地についての所有権の範囲(所有権界)とは一致しないケースもあります。

分筆(ぶんぴつ)

土地の個数を登記簿上で数える場合、「筆」という単位を使い、登記簿上1つの土地は「一筆」と呼びます。
分筆とは、その一筆の土地を複数に分けることを言います。

例えば、土地の一部のみを売買するときや、土地を分けて相続するとき、一筆の共有地を分けて各自の単独所有にするときなどに使われます。

なお、分筆とは逆に登記簿上複数の土地をまとめることを「合筆」と呼びます。

ま行

や行

ら行

リースバック(りーすばっく)

自宅を売却し、その買主と賃貸借契約を結ぶことで、継続して自宅に住み続ける契約形態のことです。

例えば、住宅ローンの返済が厳しくなったとき、自宅をリースバックで売却することでまとまった資金を得てローンを返済し、かつその後も自宅に住み続けるというケースがあります。
もっとも、リースバックでの売却価格は市場価格より安くなることが多く、必ずしもローン返済に有効とは限らない場合がある点や、所有権を手放すため自宅のリフォーム等に制約がかかる点等に注意が必要です。

連帯保証(れんたいほしょう)

一般的に住宅ローン等でよく用いられる保証はこの連帯保証です。通常の保証とは異なり、催告・検索の抗弁権がありません。
具体的には、通常の保証では、債権者から請求された際に、「まず主債務者に請求すべき(催告の抗弁)」「主債務者に資力があるから強制執行すべき(検索の抗弁)」と反論することができます。
連帯保証ではこの2つの抗弁権がないため、大きな反論の手段を封じられていることになります。

また、分別の利益がない点も特徴です。
例えば保証人が2人で1,000万円の保証をしている場合、通常の保証であれば債権者に請求を受けた際は各自の負担分に限って(例:500万円ずつ)支払えば足りますが、連帯保証では債務全額について義務を負うため、債権者から請求された場合は1,000万円全額を支払う必要があります。

上記のように、連帯保証人は非常に重い債務を負うことになりますので、十分注意が必要です。

路線価(ろせんか)

路線価とは、主要な路線に面した土地について、1平方メートルあたりの価格を表示したものです。
毎年7月上旬に、国税庁からその年の1月1日時点での価格が公表されます。

土地の評価基準は多数ありますが、相続税の評価においてはこの路線価が使用されます。

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