家賃滞納による建物明渡しのトラブル

1.増加傾向にある家賃滞納

景気の停滞やコロナ禍などによる経済的事情で家賃を滞納する方が増えてきています。家賃を滞納されてしまうと、貸主側としては、家賃を支払えない以上退去を要求することになりますが、法律上、自力救済(自分で無理やり追い出すこと)は禁止されていますので、まずは話し合いをして、話し合いに応じてくれなければ訴訟を提起するという流れになります。

2.家賃滞納は早めの対応が大切

「もう少しでお金が入るので後で必ず支払います。」このようなことを借主に言われてしまうと、貸主としては出て行けとも言いづらいでしょうし、弁護士に明渡しを依頼するにしても費用が高い、知り合いに弁護士がいない、などの理由で二の足を踏んでしまうことから、ズルズルと家賃滞納状況が続いてしまうということがあるかと思います。

そうすると、結局何ヵ月もの間家賃滞納状況が続いてしまい、その間の賃料は全く得られないということになり、借主が自主的に出て行ったとしても、結局家賃を回収できないという悲惨な結果が待っています。しかも、アパートローンを支払中の方はさらに支払い原資が減ってしまうと言う二重のデメリットが発生します。

これを防ぐためには、早急に手を打つことが大事です。具体的には、弁護士に依頼をし、明渡しの交渉、交渉に応じない場合には訴訟の提起ということになります。
ところが、従来、建物明渡しを弁護士に依頼するには時間がかかる・費用が分かりにくいといった問題点がありました。

3.相談から受任、その後の流れ

まずは電話でご予約をいただき、当弁護士法人所属の弁護士と相談後、ご依頼いただければ、内容証明郵便を相手方に送付し、さらに現地に赴いて目的建物の確認をした後、訴訟を提起、強制執行という流れになります。

明渡し実現に至るまでの流れ、所要期間の目安

以下に御依頼から明渡し実現に至るまでの流れ、所要期間をお示します。ただし、これは最短の場合です。占有移転禁止仮処分をしない場合を想定します。

①内容証明郵便を相手方に送付
↓約2週間
②明渡しがなければ訴訟提起
↓約1ヶ月
③第1回口頭弁論
↓約1週間
④判決(ただし、被告が③で答弁書を出さずに欠席した場合)
↓約2週間
⑤判決送達証明書、執行文の付与を得て、明渡しの強制執行申立
↓約2週間
⑥明渡催告(執行官が建物の中に入って催告書を貼ります)
↓約1カ月
⑦明渡しの強制執行。明渡しの実現。残置動産がある場合は保管。
↓約2週間から1ヵ月
⑧保管していた残置動産の処分(引き取りが無い場合)

上記のとおり、最短で5カ月程度かかります。相手方が裁判に出席して何か反論した場合や、裁判所の休廷期間と重なってしまった場合などは、もっと時間がかかります。

4.弁護士に依頼する場合のよくある不安

利用しにくく、かつ分かりにくい費用

最近は各法律事務所ないし弁護士法人にてホームページなどにて建物明渡し請求訴訟について弁護士費用も含めて、告知していることが多くなっています。しかし、建物明渡請求にかかる弁護士費用について、分かりやすくかつ利用しやすい費用設定をしている法律事務所ないし弁護士法人はあまり多くなく、個別の相談を受け、弁護士の裁量でその場で費用を決めるところが少なくないように思います。

弁護士費用について具体的に法律相談をしてはじめて全体の弁護士費用が分かるとすれば、あらかじめ、費用の予測がつかないために、弁護士への相談を躊躇される方も多いのではと思います。

また、費用が明示されていても、高額で利用しにくい費用であったり、細かくパターン分けされていて分かりにくかったりということがあり、これも、弁護士への依頼をためらわせる一因となっているようにも思われます。

そこで、『気軽にご相談いただけ依頼していただける法律事務所』を目指している泉総合法律事務所としては、依頼者様の視点に立って、建物明渡訴訟の弁護士費用について分かりやすく、かつ、利用しやすい費用設定をして家賃滞納でお困りの皆様にできるだけご利用いただけるように致しました。

着手金 16万5,000円(税込)
成功報酬 27万5,000円(税込)
強制執行着手金 5万5,000円(税込)
※占有移転禁止仮処分を行う場合は別途11万円(税込)
(詳細は費用のページをご覧ください。)

明渡しにかかる費用

強制執行まで行くと、特に執行補助業者の費用が、かなりかかってしまいます。しかしながら、明渡執行の約1ヵ月前に行われる明渡催告によって、賃借人が重い腰を上げ、任意に明け渡す場合もかなりあります。その場合には、上記執行補助業者の費用は、催告日における立会日当(立会人1人につき2~3万円程度)のみで済むこととなります。

また、強制執行となった場合、残った動産については、別途保管所に一定期間(2週間~1ヵ月くらい)保管することになりますが、事前に債務者から動産放棄書を取り付けておけば、動産の処分費用だけで済み、保管費用がかかりませんので、費用が抑えられます。

さらに、保管場所についても、依頼者様の方で適切な場所を確保できるのであれば、保管費用を抑えることができます。

なお、当弁護士法人としては、強制執行にかかる諸費用や時間を節約するため、依頼者様の意向に基づき、和解(建物明渡しを確認した時点で和解金を支払うことなどを内容)を成立させてもおります。

5.弁護士を使った早めの対応が肝心です

以上に述べてきました通り、建物の明渡しは、強制執行によって実現する段階までいってしまいますと、かなり費用がかかってしまいます。

この事態を避けるためには、早い段階から、弁護士が介入することで、損害をできる限り抑えることが肝心です。

ご相談自体はいつしていただいても構いませんが、目安としては賃料の支払が2,3回滞っていれば、弁護士の名義による催告書の送付を検討してもよいでしょう。
弁護士名義で送付することで、賃借人に強く注意喚起させるとともに、今後の家賃滞納を防止しやすくなります。

それにより、賃借人が未払いの賃料を支払えばそれでよいですし、支払ができない場合に、より安い賃料の場所に引越を検討して自主的に退去するのであれば、わざわざ訴訟を提起して明渡しを求める必要性は無くなります。

なお、賃貸借契約を解除する場合には、建物明渡訴訟に備えて、普通郵便ではなく弁護士名義での内容証明郵便にて発送することをお勧めしております。

お困りの場合は、泉総合法律事務所までお問い合わせください。

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