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不動産と税金・節税

不動産取引について「第二次納税義務」が問題になる場合とは?

不動産取引を行った後で譲渡人(売主)が税金を滞納したケースでは、譲受人(買主)が「第二次納税義務」を負担することがあります。

譲受人(買主)が第二次納税義務を負担するかどうかは、不動産取引の時期や内容によって異なります。
譲受人(買主)側としては、思わぬ税負担が生じてしまわないように、取引条件などを事前に精査した方がよいでしょう。

この記事では、不動産取引について稀に問題となる「第二次納税義務」について解説します。

1.第二次納税義務とは?

「第二次納税義務」とは、納税義務者が国税や地方税を滞納した場合に、滞納分を代わりに支払う義務をいいます。

第二次納税義務者は、第一次納税義務者と一体である、または滞納の原因となった財産の処分行為によって利益を得ているなど、第一次納税義務者の代わりに税を負担しても仕方がないと評価されるような人です。

国税徴収法および地方税法では、租税回収の確実性を高めるため、一定の場合に第二次納税義務者から税を徴収することを認めています(国税徴収法32条以下、地方税法11条以下)。

2.不動産取引について第二次納税義務が問題となる場合

不動産取引について第二次納税義務が問題となるのは、国税または地方税の滞納があった直前の一定期間に、滞納者から第三者へ不動産の贈与または著しく低額での譲渡が行われた場合です。

(1) 滞納者が不動産を贈与した場合

滞納者が無償で第三者に不動産を譲渡した後、国税や地方税の滞納が発生した場合、滞納の主要な原因は不動産の無償譲渡にあると考えられます。

このような場合、滞納者が不動産に対する滞納処分を逃れるために、不動産の無償譲渡を行ったと評価されても仕方がありません。

そのため、不動産の贈与を受けた譲受人(受贈者)が、滞納者に代わって国税・地方税を納付する義務を負います(国税徴収法39条、地方税法11条の8)。

(2) 滞納者が不動産を著しく低額で譲渡した場合

無償ではなかったとしても、滞納者が第三者に対して著しく低額で不動産を譲渡していた場合、無償の場合と同様に、滞納処分を逃れるために不動産を譲渡したと考えるのが自然です。

したがって、滞納者が不動産を著しく低額で譲渡した場合にも、譲受人(買主)は滞納者に代わって国税・地方税を納付する義務を負います(国税徴収法39条、地方税法11条の8)。

(3) 滞納された税の納期限前1年以内の贈与・低額譲渡のみが対象

不動産の贈与または低額譲渡の譲受人が第二次納税義務を負担するのは、当該贈与または低額譲渡が法定納期限の前1年以内に行われた場合に限られます。

贈与または低額譲渡の譲受人の譲受人に対して第二次納税義務が課されているのは、滞納処分を免れるための財産処分を許さないという趣旨によります。

このような趣旨から、滞納発生前の一定期間に行われた贈与または低額譲渡に限り、第二次納税義務の対象とされているのです。

3.無償・低額で不動産を譲り受けた場合

滞納者から無償または低額で不動産を譲り受けた第二次納税義務者は、滞納者に代わって、滞納分の国税または地方税を納付する必要があります。

(1) 第二次納税義務者が負担する納税義務の限度額

第二次納税義務者が負担する納税義務の限度額は、原則として「現存利益の金額」となります。

ただし、譲受人が滞納者(譲渡人)の親族その他、滞納者と特殊の関係にある個人または同族会社である場合には、贈与または低額譲渡によって実際に受けた利益の限度まで、納税義務の範囲が拡大されます。

上記の「特殊の関係」にある個人または同族会社は、以下のとおりです(国税徴収法施行令14条2項、地方税法施行令6条2項)。

① 滞納者の配偶者、直系血族および兄弟姉妹
② ①に掲げる者以外の滞納者の親族で、滞納者と生計を一にし、または滞納者から受ける金銭その他の財産により生計を維持しているもの
③ ①および②に掲げる者以外の滞納者の使用人その他の個人で、滞納者から受ける特別の金銭その他の財産により生計を維持しているもの
④ 滞納者に特別の金銭その他の財産を提供してその生計を維持させている個人(①および②に掲げる者を除く。)
⑤ 滞納者が同族会社である場合には、その判定の基礎となった株主または社員である個人およびその者と①~④のいずれかに該当する関係がある個人
⑥ 滞納者を判定の基礎として同族会社に該当する会社
⑦ 滞納者が同族会社である場合において、その判定の基礎となった株主または社員(これらの者と①~④までに該当する関係がある個人およびこれらの者を判定の基礎として同族会社に該当する他の会社を含む。)の全部または一部を判定の基礎として同族会社に該当する他の会社

これらの滞納者と「特殊な関係」にある主体は、滞納者との一体性が高いため、厳しい第二次納税義務を課しても問題ないという価値判断があります。

(2) 納付しなければ滞納処分による差し押さえの可能性

第二次納税義務者に対しては、所轄の税務署長から納付通知書が送付され、納税義務が告知されます(国税徴収法32条1項、地方税法11条1項)。

納付通知書の送付を受けたら、第二次納税義務者は、納付通知書記載の期限どおりに国税または地方税を納付しなければなりません。

もし期限どおりの納付を怠ると、国税の場合は期限後50日以内(国税徴収法32条2項)、地方税の場合は期限後20日以内(地方税法11条2項)に、第二次納税義務者に対して催告書による督促が行われます。

督促が行われてもなお国税または地方税が納付されない場合には「滞納処分」が行われ、第二次納税義務者の財産が差し押さえられてしまうので注意しましょう(国税徴収法47条1項など)。

4.まとめ

不動産を無償または低額で譲り受けた方は、譲渡人(売主)が租税を滞納した場合に、第二次納税義務者として、滞納分を代わりに支払わなければならない可能性があります。

第二次納税義務の問題以外にも、不動産の無償贈与および低額譲渡にはさまざまな税務上の問題が存在します。
そのため、特段の事情がない限り、相場価格に近い価格で取引を行う方が無難でしょう。

不動産取引に関して税務上の懸念がある場合には、一度弁護士にご相談いただければ、必要に応じて税理士をご紹介することも可能です。

不動産取引にはさまざまな法律問題も関係するので、取引の万全を期すためには、お早めに泉総合法律事務所の弁護士までご相談ください。

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