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不動産の競売・共有

不動産競売の流れ

不動産の運用・売却をお考えの方にとって、物件を市場価格よりも安く落札できる可能性がある「競売」は、利用のメリットが大きいものです。

競売物件を探す際には、購入手続きの流れ・スケジュールを知ることで、より効率的・具体的な計画を立てることができます。

今回は、購入者の視点で、競売物件の購入手続きがどのように進行するかの全体像について解説します。

なお、競売不動産を購入する際のリスク・デメリットや注意点については、以下のコラムで解説しています。

[参考記事] 競売物件購入のリスク|買う前に知っておくべきこと

1.競売物件を購入する際の流れ

(1) 競売の公告・三点セットの備置

まず、債権者によって競売の申立てが行われた後、競売物件の差し押さえ・現況調査・評価・売却基準価額決定のプロセスを経て、競売の公告が行われます(民事執行法64条5項)。

競売が公告されると同時に、管轄の地方裁判所および「BIT」において、競売物件の情報および三点セット(①現況調査報告書、②評価書、③物件明細書)が公開されます。

競売物件への入札を検討している人は、これらの情報を確認しながら、入札の可否を判断することになります。

なお、BIT上ではプライバシーに関する情報は削除されていますので、すべての情報を閲覧するためには競売を管轄する地方裁判所に足を運ぶ必要があります。

[参考記事] 不動産競売の物件明細書|入札の際の着眼点

(2) 入札・保証の提供

各競売物件には「入札期間」が設定されており(期間入札の場合)、この期間に買受希望価格を明示して入札を行います。

競売の方法には「入札」(期間内に1回のみ入札)と「競り売り」(期間内であれば何度でも入札可能)が認められていますが、不動産競売の場合、実務上「入札」による競売のみが実施されています。

入札時の買受希望価額は、競売物件ごとに定められた売却基準価額の80%以上とする必要があります(民事執行法60条3項)。

ただし、もともと売却基準価額は、競売であることを考慮して市場価格よりもディスカウントされていることが多いので、結果的には市場価格よりもかなり安く入札できる可能性が高いです。

入札時には、原則として売却基準価額の20%に当たる保証金を執行裁判所に預託する必要があります(同法66条、民事執行規則49条、39条1項)。

ただし、執行裁判所の判断により、保証金の割合が引き上げられることもあります(民事執行規則39条2項)。

なお保証金は、競売物件を落札できなかった際には返還されます。

(3) 開札

入札期間が終了したら「開札」が行われ、最も高い買受希望価格を提示した人が第一順位の買受候補者(最高価買受申出人)となります。

(4) 売却許可決定

開札により最高価買受申出人が決定したら、執行裁判所は「売却決定期日」を開催し、売却の許可または不許可を言い渡します(民事執行法69条)。

執行裁判所は、原則として売却の許可を行いますが、民事執行法71条各号に規定される以下の売却不許可事由が存在する場合には、売却が不許可となり、次順位の買受申出人に落札権が移動します。

<売却不許可事由>
①競売の手続きの開始または続行をすべきでないこと
②最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格もしくは能力を有しないこと、または代理人が不動産を買い受ける権限を有しないこと
③最高価買受申出人が、不動産を買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をしたこと
④最高価買受申出人、その代理人または自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が、以下のいずれかに該当すること
・その競売の手続きにおいて、売却の適正な実施を妨げる行為をし、またはさせた者
・その競売の手続きにおいて、代金の納付をしなかった者、または自己の計算においてその者に買受けの申出をさせたことがある者
・他の民事執行手続きの売却不許可決定において、売却の適正な実施を妨げる行為をし、またはさせた者と認定され、その売却不許可決定の確定の日から2年を経過しない者
・一定の刑罰法規に基づいて刑に処せられ、その裁判の確定の日から2年を経過しない者
⑤最高価買受申出人または自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が、以下のいずれかに該当すること
・暴力団員等(買受けの申出時に暴力団員等であった者を含む)
・法人で、その役員のうちに暴力団員等に該当する者があるもの(買受けの申出時に、その役員のうちに暴力団員等に該当する者があったものを含む)
⑥最高価買受申出人または買受人から、天災などの不可抗力によって不動産が損傷したことを理由とした、売却の不許可の申出があること
⑦売却基準価額・一括売却の決定・物件明細書の作成またはこれらの手続きに重大な誤りがあること
⑧売却の手続きに重大な誤りがあること

(5) 代金の納付・所有権の移転

売却許可決定がなされた場合、買受人は、裁判所書記官の定める期限までに代金を執行裁判所に納付する必要があります(民事執行法78条1項)。

なお、入札時に納付した保証金は、上記の代金に充当されます(同条2項)。

買受人が代金を完納した時点で、買受人は不動産の所有権を取得します(同法79条)。

(6) 引渡命令・明渡しの強制執行

買受人が競売物件の所有権を取得した後、占有者が任意に立ち退かない場合には、買受人は執行裁判所に対して、競売物件の引渡命令の申立てを行うことができます(民事執行法83条1項)。

競売物件の引渡命令が確定した場合、引渡命令を債務名義として、強制執行の手続きをとることが認められます(同法22条3号)。

[参考記事] 競売の引渡命令とは何ですか?

2.まとめ

競売物件は安く購入ができ、選べる物件も多種多様です。購入手続きの方法自体もシンプルであるため、通常の物件購入よりも手続き自体の負担は少ないでしょう。

しかし、競売物件は入手できる物件情報が少なく、破損や欠陥があるケースも0ではありません。
購入の際には落札までの流れをよく理解し、物件情報もしっかり把握した上で入札をしましょう。

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