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競売物件購入のリスク|買う前に知っておくべきこと

競売物件は、通常の物件よりも安く落札できる可能性があり、不動産の運用・売却によって利益を得ようとする方にとっては注目する価値があります。

しかし、競売物件は、必ずしも十分な情報が得られず、また管理が適切に行われていないことも多いため、通常の物件よりも購入するリスクが大きい点がデメリットです。

競売物件の購入から生じるリスクをできる限り最小化するため、リスク内容について正しく理解し、必要な事前対策を行いましょう。

この記事では、競売物件を購入する際に生じるリスクや、そのリスクを回避するためのポイントについて解説します。

1.競売物件を購入することのリスク

まず、競売物件を購入するに当たって生じがちな主なリスクの内容について解説します。

(1) 物件情報の開示が不十分

競売物件のリスクは、必ずしも物件情報が十分に開示されていないことに由来する部分が大きいです。

通常の物件を購入する際には、不動産仲介業者が作成した重要事項説明書を確認できるほか、不動産仲介業者や売主から口頭での説明を受けることもできます。

しかし、競売物件に関する情報は、基本的に最高裁判所から委託を受けた会社が運営する不動産競売物件情報サイト(BIT)に掲載されているものに限って入手できるに過ぎません。
【参考】不動産競売物件情報サイト(BIT)

BITでは、競売物件の概要に加えて「三点セット」(後述)が提供されていますが、競売物件に関する重要な情報が必ずしも網羅されているわけではありません。

また、債務者などから競売物件に関する口頭説明を受けることもできないので、入札者としては、不十分な情報をもとに入札を行わざるを得ない側面があります。

(2) 引渡し前に内覧ができない

競売手続きにおいては、入札者には引渡し前の内覧が原則として認められていません。
民事執行法上、競売物件の事前内覧が認められているのは差押債権者のみであり(民事執行法64条の2第1項)、一般の入札者は内覧が認められていないのです。

内覧ができないということは、競売物件の現況を目視で確認することが困難であり、その分購入のリスクも高まります。

(3) 契約不適合責任が限定されている

法律上は、競売物件には契約不適合責任が限定されている点が大きなリスクになり得ます。

契約不適合責任とは、引き渡された目的物の種類・品質・数量のいずれかについて契約内容への不適合が存在する場合には、買主から売主に対して以下の請求が認められていることを意味します。

  • 追完請求(民法562条)
  • 代金減額請求(民法563条)
  • 損害賠償請求(民法564条、415条)
  • 契約解除(民法564条、541条、542条)

契約不適合責任は、通常の不動産売買であれば、特約で排除されていない限り全面的に認められます。

しかし競売物件については、競売手続きへの参加を促進するため、また差押債権者の法的地位を安定させるために、以下のとおり契約不適合責任が限定されています。

① 原則として契約解除と代金減額請求のみが認められる(民法568条1項。追完請求は認められない)
② 損害賠償請求は、債務者が物もしくは権利の不存在を知りながら申し出なかったとき、または債権者がこれを知りながら競売を請求したときに限って認められる(同条3項)
③ 種類・品質に関する不適合については、契約不適合責任が適用されない(同条4項。つまり、数量に関する不適合に限られる)

万が一競売物件の性状に関して重大な不具合があったとしても、契約不適合責任による補償が行われないケースも多いので、十分注意が必要です。

リンク:契約不適合責任

(4) 不法占有者が居座っている可能性がある

競売物件は、必ずしも所有者・占有者の意思に沿った形で売却されるものではありません。
そのため、競売物件を落札したとしても、占有者が任意に立ち退かないケースがよくあります。

この場合、不法占有者との間で立退き交渉を行うか、執行裁判所に対して引渡命令の申立てを行う必要があります(民事執行法83条1項本文)。

引渡命令の申立ては、原則として競売代金を納付した日から6か月以内に行う必要があります(同条2項)。

引渡命令が発せられれば、それを基に強制執行の手続きをとることができますが(同法22条3号)、執行費用として少なくとも数十万円程度(ケースによっては百万円を超えることもあります。)を要するので注意が必要です。

[参考記事] 競売の引渡命令とは何ですか?

(5) 残置物が放置されている可能性がある

不法占有者の居座りがないとしても、競売物件の内部に残置物が放置されている可能性は大いにあります。
この場合、購入者が自ら掃除するか、業者に依頼して掃除を行ってもらう必要があります。

特に、粗大ごみなどについては廃棄費用がかさむ可能性があるので注意しましょう。

(6) リフォーム・修繕などに追加費用がかかることがある

競売物件は、原則として事前に内覧することができないので、購入後に構造上の不備が判明することもあり得ます。

前述のとおり、競売物件の品質に関する不適合は、契約不適合責任の対象外とされています。
そのため、購入者が自ら費用を負担して、リフォームや修繕を行わなければなりません。

[参考記事] 競売物件を落札後、リフォームして転売することは違法?

2.競売のリスクを回避するための方法

競売物件を購入するに当たって、上記の各リスクは常に付きまとうものであり、完全に排除することはできません。

しかし、以下のポイントに留意した対応を行えば、競売物件の購入に関するリスクをできる限り抑えることはできるでしょう。

(1) 三点セットをよく読む

競売物件に関する情報は、すでに紹介した「不動産競売物件情報サイト(BIT)」で提供されている「三点セット」にもっともよくまとまっています。

そのため、三点セットの内容は十分に確認しておくことが、競売への入札を行うための最低条件といえるでしょう。

三点セットの内容および主な記載事項は、以下のとおりです。

<三点セットの内容・記載事項>

①現況調査報告書
・土地の現況地目、建物の種類・構造など不動産の現在の状況
・不動産を占有している者の氏名や占有権原の有無
・不動産の写真 など

②評価書
・競売物件の周辺の環境
・競売物件の評価額
・不動産の図面 など

③物件明細書
・競売買受け後もそのまま引き継がなければならない権利の有無
・法定地上権の成否 など

なおBIT上では、三点セットの記載内容のうち、プライバシーに関する情報は削除されています。

すべての情報を閲覧するためには、競売を管轄する地方裁判所に足を運ぶ必要があります。

[参考記事] 不動産競売の物件明細書|入札の際の着眼点

(2) 現地で外観や周辺環境を確認する

競売物件の事前内覧はできませんが、外観だけであれば、現地に足を運べばある程度確認することができます。

また、不動産には周辺環境が安定していることも重要であるところ、現地調査を行えば、周辺住民などとのトラブルがあるかどうかを把握できる可能性もあります。

遠方の場合は難しいかもしれませんが、可能であれば時間帯や曜日を変えて複数回、競売物件の所在地に足を運ぶことをお勧めいたします。

(3) 弁護士や不動産業者のアドバイスを求める

三点セットの内容は、不動産取引に慣れている方であれば読み解くことができると思います。
しかし、一般の方にとっては技術的な内容が多いため、かなり読み解くことが難しいでしょう。

不動産取引に精通した弁護士に依頼すれば、三点セットの内容から競売物件のリスクをある程度洗い出すことが可能ですので、一度弁護士に相談することをお勧めいたします。

また、弁護士を通じて不動産業者の紹介を受ければ、競売物件の買受価格などについてのアドバイスを受けることができ、入札の際には大いに参考となるでしょう。

3.まとめ

競売物件の購入には多くのリスクがありますが、弁護士にアドバイスや「三点セット」等の書類の確認を依頼することで、ある程度リスクを低減することができます。

これから競売物件を購入しようと考えている方は、一度弁護士にご相談されてみてはいかがでしょう。

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