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メゾネット物件のメリット・デメリットやトラブルを解説

賃貸物件や分譲物件を探しているときに「メゾネットタイプ」という物件の情報を見たことがあるという方もいるでしょう。

メゾネットタイプは、一般的におしゃれで開放的なイメージがありますので、「一度は住んでみたい」と考える方も多いかもしれません。

しかし、憧れだけでメゾネットタイプに決めてしまうのは危険です。メゾネットタイプには、メリットとデメリットがありますので、それを十分に理解したうえで判断する必要があります。

今回は、メゾネットタイプの物件のメリットとデメリット、よくあるトラブルについて解説します。

1.「メゾネットタイプ」とは?

(1) メゾネットタイプの特徴

メゾネットタイプとは、マンションなどの集合住宅でありながら、住宅内部に階段が設置されており、2階以上の階層で構成されている物件のことをいいます。

メゾネットは、フランス語の「maisonnette」に由来する言葉であり、「小さな家」を意味します。
その言葉のとおり、メゾネットタイプの物件は集合住宅でありながら一軒家のように空間を使うことができることから、非常に人気のある物件です。

メゾネット物件は、タワーマンションやデザイナーズマンションの上層階など、一般的な物件に比べると物件数は限られていますので、気に入った条件のメゾネット物件を見つけた場合には、候補に入れても良いかもしれません。

(2) メゾネットタイプの種類

メゾネットタイプの物件は、階層の組み合わせによって、以下の3種類に分けることができます。

①上下階を1戸に分けるタイプ

最もスタンダードなメゾネットタイプです。たとえば、マンションの1階と2階で1戸、3階と4階で1戸というように分ける場合です。

②3フロアを2戸に分けるタイプ

マンションの上下3フロアを2分割したメゾネットタイプです。たとえば、1階と2階で1戸、2階と3階で1戸というように分ける場合です。

③ルーフメゾネットタイプ

マンションの最上階の住居では、ルーフメゾネットタイプが採用されることもあります。ルーフメゾネットとは、2階部分にルーフバルコニーが付いたメゾネットタイプであり、ルーフバルコニーから眺望を楽しむことができる贅沢な物件です。

2.メゾネットのメリットとデメリット

人気の高いメゾネットタイプの物件ですが、メゾネットタイプには、メリットだけでなくデメリットも存在します。
そのため、メゾネットタイプを検討する際には、デメリットも十分に理解したうえで選択することが大切です。

(1) メゾネットタイプのメリット

①開放感がある

メゾネットタイプの物件は、住居内に階段があることによって、開放的な吹き抜けのある間取りを実現することができます。集合住宅に住んでいながら、一戸建てのような開放感のある空間で暮らすことができるというメリットがあります。

メゾネットタイプの物件には、デザイン性の高い螺旋階段やスケルトン階段などおしゃれなものが多いため、友人などにも自慢できるかもしれません。

②プライベート空間を確保することができる

メゾネットタイプの物件では、上階と下階で居住空間を分けることができるというメリットがあります。たとえば、1階をリビングとダイニングにして、2階を寝室にすることによって、友人を自宅に招いたときにもプライバシーを守ることができます。

また、在宅ワークやテレワークの人であれば、仕事をする空間と居住空間を分けることができますので、家族が家にいたとしても仕事に集中することができます。

③騒音の心配が少ない

集合住宅では、騒音の問題で悩まされる人も多いと思います。

メゾネットタイプの物件は、上下階がご自身の居住スペースになりますので、一般的な集合住宅に比べると騒音の心配が少なくなります。

子どもがいる家庭では、子どもの走り回る音や振動が階下に伝わらないか心配になり、子どもの行動に気を使う場面が多くなります。

このようなケースでは、子ども部屋を2階に設けることによって、室内で走り回ったとしても、階下に伝わる音や振動を大幅に軽減することができます。

④一戸建てに比べると割安

メゾネットタイプの物件は、通常のタイプの物件に比べると割高になりますが、一戸建てに住む場合と比べると賃料や購入価額は割安になります。

一戸建てに住むほどの経済的な余裕はないものの、一戸建てのような開放感のある暮らしをしたいという人にはおすすめな物件といえます。

(2) メゾネットタイプのデメリット

①上下階の移動が大変

居室内に階段があるのがメゾネットタイプの物件の大きな特徴になりますが、これがデメリットになることがあります。

メゾネットタイプの物件では、階段を使って上下階を移動することになりますので、上下階の移動が大変と感じることもあります。特に、高齢者の家族のいる家庭では、メゾネットタイプの物件に住むことは難しいかもしれません。

また、小さい子どもがいる家庭では、階段からの転落を防止するための対策も必要になってくるでしょう。

②生活スペースが狭くなる

メゾネットタイプの物件では、階段がある分、同じ面積の物件と比較すると生活スペースが狭くなってしまいます

床面積だけで物件を選んでしまうと、数字の上では広い物件に引っ越してきたにも関わらず、家具や荷物を置く場所が減ってしまい、窮屈な生活を強いられるということもありますので注意が必要です。

③光熱費が高くなる

メゾネットタイプの物件では、上下階に分かれていたり、吹き抜けがあったりするなどして、ワンフロアの物件よりも密閉性が低くなります。そのため、暖房を使用していても暖かい空気が2階に逃げてしまったり、冷房を使用していても冷たい空気が1階に逃げてしまったりするなど冷暖房効率が落ちてしまいます

また、ワンフロアの物件と異なり、生活空間も上下階で分かれることになりますので、それぞれの部屋ごとにエアコンが必要になり、それぞれの部屋でエアコンを利用することになります。

このような理由から、ワンフロアの物件に比べて、光熱費が高くなる傾向にあります。

④家具の搬入が大変

メゾネットの物件では、居室内に階段があるため、上階への家具の移動が大変になるというデメリットがあります。ベッドなどの大型家具を搬入する場合には、居室内からは運び込むことができずに、クレーンなどでの吊り上げ搬入が必要になることもあります。

そのため、メゾネットタイプの物件に住む場合には、引っ越しや荷物の搬入時にコストがかかるという点も意識しておく必要があります。

3.メゾネットでよくある騒音トラブル

メゾネットタイプの物件は、集合住宅であるということには変わりありません。
ワンフロアの物件に比べると騒音の心配が少ないというメリットはありますが、居室内で走り回ったり、大声を出したりすれば、近隣の居住者から苦情が来ることになります。

一戸建てではない集合住宅では、騒音トラブルは切っても切り離せない関係にあります。生活をするためには、近隣との関係も大切になりますので、日頃から良好な関係を築くなど、常識的な対応を心がけるようにしましょう。

なお、騒音トラブルの対応についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

[参考記事] マンション隣室の騒音被害|注意しても改善しない場合の対処法

【音が響きやすいという特徴も】
メゾネットタイプの物件は、鉄筋コンクリート造のマンションだけでなく、木造や軽量鉄骨造のアパートにもあります。
鉄筋コンクリート造のマンションであれば、音の心配は比較的少ないですが、木造や軽量鉄骨造のアパートでは、構造上音を伝えやすい性質がありますので、騒音トラブルになることがあります。
騒音を気にしてメゾネットタイプの物件を選ぶのであれば、建物の構造にも気を配る必要があります。

4.メゾネットタイプを選ぶ際は慎重に検討を

今回は、メゾネットタイプの物件のメリット・デメリットを紹介しました。

メゾネットタイプの物件には、今回紹介したようなデメリットもありますので、物件選びで失敗することのないように、メリットとデメリットを踏まえて慎重に検討するようにしましょう。

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