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マンション

マンション管理組合・マンション管理会社とは|構成、役割、権限

マンションをめぐる法律関係には、一戸建ての建物と違う部分が数多くあります。

例えば、自分だけの所有権の対象となり、占有して利用できる「専有部分」がある一方で、マンションの区分所有者全員が共有し、共同で利用する廊下、階段、屋上、出入口などの「共用部分」が存在します。

自分の専有部分は自分で管理しますが、共用部分は誰がどのように管理するのでしょうか?

マンションを管理しているのは、通常「マンション管理組合」と「マンション管理会社」です。この2つはどう違い、どのような役割を担っているのでしょうか?

1.マンションをめぐる法律関係の基本

所有権を代表とする「物権」は、本来、一個の「物」の一部分を対象とすることはできません。これを「一物一権主義の独立性の要求」と呼びます。

ひとつの「物」の各部分にバラバラの権利者を認めると、権利の公示や円滑な管理・使用が難しく、何より昔はそのような権利を認める必要がなかったからです。

この原則からは、マンションというひとつのコンクリート建物を区分けして、別々に複数の所有権の対象とすることは許されませんから、複数の人間で所有したいという場合は、一個のマンション全体を対象とする一個の所有権を、複数人が「共有」するしかありません(民法249条以下)。

ただ、この「共有」状態では、各人の権利は、共有持分権という全体の何%という割合の数字で表現されるにすぎず、「101号室は私のもの」「506号室はAさんのもの」というように、マンションの各部屋を個人の所有物とすることは認めることができません。

また誰が、どの部屋を使えるかなどの事項は、各人の共有持分の過半数による多数決で決めるしかありません(民法252条)。

各人は自分の共有持分権を自由に処分することはできますが(民法206条)、自分が使用している部屋を処分する権利はなく、お金に困っても、部屋を売ることはできません。また、マンションを建替えるには、共有者全員の賛成が必要です(民法251条)。

「共有」に対する、このような制約を認めたままでは、マンションの建築・販売・購入・利用・管理・処分を円滑に行うことはできず、非現実的であることが明らかです。

そもそも、一物一権主義の独立性の要求は、ひとつの物の一部に個別の物権を認める必要がなかった時代の産物ですから、マンションの普及している現代社会には妥当しません。

そこで、マンションの利用を円滑に行えるよう、民法の共有の例外として、マンションというひとつの建物の各部分に、個別の所有権が成立することを認め、特別な管理・利用ルールを定めた特別な法律が「建物の区分所有等に関する法律」(以下「区分所有法」といいます)です。

こうして区分所有法では、マンションという「ひとつの建物」を101号室や302号室といった各部分に「区分」して、個別の所有権の目的とすることが認められます。それが「区分所有権」です。

2.専有部分の管理

一棟のマンションのうち、①構造上区分された部分で(構造上の独立性)②その部分が、独立して住居・店舗など建物の用途に利用できるもの(利用上の独立性)が「区分所有権」の対象となります(区分所有法2条)。

「専有部分」とは、この区分所有権の対象となる部分です(同2条3項)。具体的には、天井・壁・床スラブで囲まれた内部であり、これを「純粋専用部分」と呼びます。

また、電気配線・上下水道・ガス管のうち、各部屋に付属している支線・支管部分も専有部分であり、これを「附属専有部分」と呼びます。

専有部分は、その区分所有者だけの所有権の対象ですから、当然、その区分所有者が管理することになります。

なお、構造上・利用上の独立性がある部屋などでも、規約により共用部分とすることが可能です(同4条2項)。管理人室や集会室などです。これを「規約共用部分」と呼びます。共用部分については後に説明します。

3.マンション管理組合とは

(1) なぜ管理組合が必要か?

「管理組合」は、そのマンションの「区分所有者」で構成される団体です。
分譲マンションの一室を購入して区分所有者となった時点で、自動的に管理組合の構成員となります(区分所有法3条)。

第3条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる(後略)。

上の条文で「区分所有者は、全員で(中略)団体を構成し」とあるのは、当然に団体が作られるという意味であり、その団体が建物・敷地・附属施設の管理を行うとしています。

先に説明したとおり、区分所有権の対象となるのは専有部分だけであり、マンションのその他の部分は、区分所有権の対象外ですから、その管理や利用については、民法の「共有」規定にしたがう必要があります。

ただ、民法の共有規定は、共有物の処分は全員の賛成、共有物の変更は持分権の過半数の賛成・共有物の保存行為は他者の同意不要と定めているだけです。

共同相続財産のように、数名程度の共有であれば、民法の簡素な規定でも対応できますが、分譲マンションは、少なくとも数十人、大きな場合は数百人もの区分所有者が存在しますから、民法の定めでは多数人の利害を調整して円滑な管理運用を行うのは困難です。

そこで、区分所有法では、区分所有者が構成する団体によってマンションを管理運営することを義務づけたうえ、意思決定機関としての「集会」の開催、ローカルルールとしての「規約」の制定、執行機関としての「管理者」の設置を可能としたのです。

なお、この団体は、俗に「管理組合」と呼ばれますが、「3条団体」と呼ばれることもあります。

(2) 標準管理規約

上に説明したとおり、管理組合(3条団体)には「規約」を制定する権限があり、実際に多くのマンションで規約が作成されていますが、不十分な内容であったり疑義が残る条項があったりして、問題に対応できない例が珍しくありません。

そこで、規約作成の参考としてもらうために、国土交通省は「マンション標準管理規約」を公開しています。

その中で、管理組合の「業務」は以下のように記載されています(同規約第32条)。

  • 管理組合が管理する敷地および共用部分等(組合管理部分)の保安、保全、清掃、消毒およびごみ処理
  • 組合管理部分の修繕
  • 長期修繕計画の作成または変更に関する業務および長期修繕計画書の管理
  • 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査に関する管理
  • 適正化法第103条第1項に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理
  • 修繕等の履歴情報の整理および管理等
  • 共用部分等に係る火災保険、地震保険その他の損害保険に関する業務
  • 区分所有者が管理する専用使用部分について、管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為
  • 敷地および共用部分等の変更および運営
  • 修繕積立金の運用
  • 官公署、町内会等との渉外業務
  • マンションおよび周辺の風紀、秩序および安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務
  • 広報および連絡業務
  • 管理組合の消滅時における残余財産の清算
  • その他建物並びにその敷地及び附属施設の管理に関する業務

標準例なので、マンションの維持管理や運営に関することであれば、日常の清掃から建物自体の建替えに関することまで、非常に幅広く含まれています。これを参考にして、各マンションの特性・地域性などを考慮し、内容を取捨選択して規約を作成することが期待されます。

(3) 管理組合が管理する部分

前述のとおり、マンションの専有部分は区分所有者が自分の費用で管理します。

これに対して管理組合は、以下の場所を管理することになっています。

法定共用部分

区分所有権の対象外で、法律上、当然に共用部分となるものです。

区分所有法では、数個の専有部分に通ずる廊下、階段室、その他構造上、区分所有者の全員等に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないとして(区分所有法第4条1項)、法定共用部分となることを明らかにしています。

【具体例】

  • 廊下や階段、エレベーター
  • 玄関ホール
  • 屋上
  • 支柱、外壁、屋根、耐力壁、基礎工作物など
  • 敷地、建物の付属施設
    敷地や建物に付属する施設等が当てはまります(3条)。
  • 駐車場や駐輪場となっている敷地
  • ゴミ置場など
  • 規約共用部分
    構造上・利用上の独立性があり、本来は区分所有権の対象となり得るものの、あえて管理組合の規約で共用部分と定められた部分です(4条2項)。例えば以下のような施設です。
  • 管理事務室
  • マンション管理用の倉庫
  • 集会用のスペースなど

4.マンション管理会社とは

管理組合(3条団体)からマンションの管理業務を依頼され、業務を代行する業者が「マンション管理会社」です。
管理業務の全部を委託されることもあれば、一部のみを委託される場合もあります。

どのような業務を委託されるかは、契約内容次第です。例えば、以下のような業務です。

(1) 清掃業務

日常の掃き掃除や拭き掃除などに加え、年に数回程度は清掃機械などを使って廊下や玄関ホールなどの共用部分のクリーニングを行います。

共用部分の高いところにある照明の掃除や交換など、やや危険を伴う清掃を実施することもあります。

(2) 点検業務

建物に必要な電気系統や給排水設備に不具合がないかなどをチェックします。

特にエレベーターや消防設備などは法律で定期的な点検が義務付けられているため、資格を持った人が点検しなければいけません。

また、建物の外壁などに破損がないかなども点検します。破損が見つかった場合は管理組合と相談して修繕を行うか、修繕業者を手配するなどして対応します。

(3) 管理員業務

いわゆる「マンションの管理人」や「受付」を担当する人が行う仕事です。
住人や来客の対応、鍵の管理などを行います。日常の清掃や照明などの点検を行うことも多いです。

何らかのトラブルが発生した場合の連絡や報告役も兼ねており、トラブルの内容に応じて警察や消防など適切な機関へ通報することもあります。

さらに、管理組合の決定事項や住人の苦情を書面にして貼り出すなど、仕事内容は多岐にわたります。

業務の形態は主に3つにわかれます。

  • 常駐型:マンションに住み込みで勤務するタイプ
  • 日勤型:指定された曜日や時間帯に通勤するタイプ
  • 巡回型:1人の管理員が複数のマンションを巡回しながら勤務するタイプ

(4) 事務管理業務

管理組合の会計の代行や重要書類の保管などです。
管理費や修理費の積立金などマンションの維持管理に必要なお金の集金や、滞納者への対応なども行います。

マンションの修繕などに関する提案をすることもあります。

事務管理業務はマンションの維持管理や管理組合の運営などに関わる大切な部分であり、大きな責任が伴います。そのためマンション管理のノウハウがある業者に委任するケースが多く見られます。

5.まとめ

マンションの管理は管理組合が行います。管理会社は管理組合から業務の全部または一部を依頼された外部の業者です。
マンションの管理を全て管理会社に一任している管理組合もあれば、管理会社を使わない管理組合もあります。

管理会社を使わない場合は、日常の清掃や点検などの作業を管理組合が行い、エレベーターの点検や電気設備の補修などは必要に応じて専門の業者を呼ぶことが多いようです。

どちらが優れているかは一概には言えませんが、たとえ管理会社を利用していても、マンションが自分の資産であることに変わりはありません。

資産を維持するためには、自分がマンション管理の当事者という自覚を持つことが大切だと心に留めてください。

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