不動産に強い弁護士に無料相談【東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪】
安心と信頼のリーガルネットワーク弁護士法人泉総合法律事務所不動産問題
0120-553-813
【電話受付】平日9:00〜21:00/土日祝9:00〜19:00
お問い合わせ
(365日24時間受付中)
不動産の重要知識

アパート敷地内の駐車場に無断駐車された場合の対処法

アパートの駐車場に入居者でない人の車が無断駐車されていると、入居者による利用が妨げられたり、オーナーが駐車場使用料を回収できなくなったりしてしまいます。

オーナーとしては、可能な限り無断駐車を予防する対策を講ずべきですが、万が一無断駐車をされてしまった場合には、法律の規定を踏まえて慎重に対応しましょう。

この記事では、アパート敷地内の駐車場において、関係ない車が無断駐車されていた場合の対処法などを解説します。

1.無断駐車に駐車場オーナーが取れる対応

無断駐車にどのように対応するかは、駐車場オーナーにとって非常に悩ましい問題です。

手間と時間がかかりますが、法律のルールに則って以下のとおり対応してください。

(1) 警告書を貼って退去を促す

一時的に駐車されているだけの場合、車の前窓などに無断駐車禁止の警告書を貼るなどすれば、任意に駐車場から退去することが多いです。

オーナー側の対応コストも小さく済みますので、まずは警告書の貼付によって退去を促すとよいでしょう。

(2) 運転者を特定して退去・損害賠償などを請求

長期間にわたって無断駐車が続いている場合、強制的な退去の実現を目指すべきでしょう。

その場合、車の所有者を特定して、交渉または法的手続きによって退去を求めることになります。

車の所有者を特定するためには、最寄りの運輸支局または自動車検査登録事務所の窓口において、ナンバープレートの番号(自動車登録番号)を提示して「登録事項等証明書」の発行を請求します。

登録事項等証明書の発行には、個人情報保護の観点から、本来は自動車登録番号に加えて、車検証などに記載されている「車台番号」の提示が必要です。

しかし、私有地における放置車両については、自動車登録番号だけで登録事項等証明書の発行を請求できることになっています。

なお、放置車両であることを示すために、発行申請の際に以下の資料を添付する必要があるので、漏れなく準備しましょう。

  • 当該車両の放置状況がわかる図面
  • 車両の写真
  • 放置日数などを記載した書類

車の所有者が特定出来たら、所有者宛に内容証明郵便を送付し、駐車場からの退去や損害賠償などを請求します。

所有者が任意に退去などに応じない場合には、訴訟を提起したうえで、強制執行による明渡しを目指すことになるでしょう。

【警察は動きにくい】
駐車場に無断駐車されている車について、警察に相談すれば対応してくれるのではないかと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、私有地内における無断駐車のケースでは、警察が動いてくれることは少ないのが実情です。
まず駐車場は、私有地といえども開けたスペースなので、アパートの居室などとは異なり、刑法上の住居侵入罪(刑法130条前段)等の対象にはなっていません。また、公道における無断駐車とは異なり、私有地内における無断駐車は、道路交通法違反にも該当しません。
これに対して、私有地内における無断駐車は、軽犯罪法1条32号の「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入った者」に該当する可能性があります。しかし、軽犯罪法違反は「拘留または科料」という非常に軽い法定刑の罪であるため、警察も相当悪質なケースでなければ動いてくれないことが多いです。
このように、駐車場における無断駐車については、警察による助けはあまり期待できないので、前述の民事上の手段で対抗するほかないのが難しいところです。

2.車のナンバープレートがない場合

車の所有者に対して民事上の請求をするためには、所有者が誰であるかを特定する必要があります。

しかし、中にはナンバープレートが外されており、自動車登録番号がわからない(またはそもそも自動車登録番号がない)ため、所有者の特定が困難なケースがあります。

この場合、無断駐車されている車両への出入りなどを監視して、所有者が誰であるかを突き止めることが考えられます。
例えば、駐車スペースの周辺に監視カメラを設置する方法などが有効です。

また、ナンバープレートが外されているといった不審な点がある場合は、盗難車両であるなど事件性がある可能性がありますので、警察に通報しましょう。警察がボンネットを開けて車台番号を調べてくれる可能性があります。

【無断駐車であっても、勝手にレッカー移動するのは禁物】
私有地である駐車場への無断駐車が違法であることは言うまでもありませんが、だからといってオーナーが車を勝手にレッカー移動などしてしまうと、逆に車の所有者から損害賠償を請求されるおそれがあるので注意が必要です。
そもそも日本の法律では、権利を物理的な強制力をもって自ら実現する「自力救済」を禁止しています。「自力救済」を認めてしまうと、「やられたらやり返す」という発想が生じやすく、結果的に社会の治安が悪化してしまうからです。
たとえ無断駐車の車であっても、オーナーが駐車場からレッカー移動などで強制的に撤去することは認められません。
また、無断駐車の車両をレッカー移動した際に、車の一部が破損するケースがあります。この場合、車両の価格にもよりますが、オーナーは車の所有者から高額の損害賠償を請求される事態になりかねません。

3.無断駐車予防に駐車場オーナーができること

前述のとおり、無断駐車された車両への対抗手段は存在しますが、オーナーはその対応に時間的・経済的コストを払うことになってしまいます。

このような事態を防ぐには、以下の対策を実施して、可能な限り無断駐車を予防することが大切です。

(1) 「無断駐車お断り」のサインを目立つように掲示する

無断駐車に対しては、法的措置を含めた厳しい対応をとる旨のサインを掲示しておけば、心理的なプレッシャーが働き、無断駐車がなされる可能性が低くなるでしょう。

(2) カラーコーンやロックユニットなどを設置する

物理的に無断駐車を防ぐには、契約外の駐車スペースにカラーコーンを設置したり、すべての駐車スペースにロックユニットを設置したりする方法が考えられます。

カラーコーンが置いてあると、無断駐車をするために必要な工程が増える(カラーコーンをどけなければならない)ので、別の場所に駐車しようという心理が働きやすくなります。

また、ロックユニットを設置しておけば、契約車両や料金を支払った車両以外は駐車スペースを利用できなくなるので、いっそう効果的です。

4.まとめ

無断駐車対策は、駐車場管理の一環として非常に重要です。
万が一無断駐車が発生してしまうと、オーナーが対応に時間・労力・費用をかけなければならず、大きな損をしてしまうおそれがあります。

オーナーとしては、可能な限り無断駐車を予防する措置をとりつつ、無断駐車車両に対しては法律に則って毅然とした対応を取りましょう。

関連するコラム
38 40
【電話受付】平日9:00〜21:00 / 土日祝9:00〜19:00