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その他不動産トラブルに関するよくある質問

Q

初めてアパート経営をすることになったのですが、賃貸借契約をするにあたり、公正証書を作成する必要はありますか。

A

<公正証書は原則不要>

アパート経営のための賃貸借契約では、公正証書を作成する必要はほぼありません。
一応、公正証書を作成するメリットはありますが、実務で一般的に用いられている書面や制度を利用すれば十分です。

 

<借地借家法での扱い>

公正証書は、法務大臣に任命された公証人が契約関係などを証明するために作成する書面です。
基本的には「証書」、つまり証明書の一種ですから、契約を有効にするために不可欠とは限りません。そもそも法律上ですら契約は口約束でも成立するとされていることが多く、賃貸借契約も書面によらず口頭でも有効に成立します。

 

もっとも、それでは契約の客観的証拠が残らず、契約関係が不安定になります。そこで特に重要な契約は書面によって契約することが成立要件となっているものもあります。

たとえば、借地借家法では、定期建物賃貸借契約などは書面で契約しなければ有効になりません。
ところが、その書面は公正証書でなくともよいケースがほとんどです。
定期建物賃貸借契約を定める借地借家法38条に、公正証書という言葉自体は記載されています。ですが、「公正証書による『等』書面によって(『』は筆者が追記)」とあるとおり、書面の例のひとつにすぎないのです。

なお、事業用定期借地権設定契約では公正証書による契約が必要とされていますが、居住用アパート経営ではまず問題とならないでしょう。

 

<メリットはあまりない>
公正証書は契約成立の上で必要ではない。としても、賃貸借契約を公正証書ですることによって生じるメリットがないわけではありません。

1:公的な証拠

公正証書は公証人が作成した公文書ですから、契約内容を証明する証拠として裁判所に信頼されます。

2:契約内容の確認

公証人は法律の専門的知識をもっています。契約内容に問題がないか確認してもらえます。

3:契約書原本の保管

公正証書は当事者のみならず公証人役場での保管用のものも作成されますので、紛失や偽造リスクがありません。

4:滞納家賃などの回収

「強制執行認諾」を付記した公正証書(「執行証書」と呼ばれます)によれば、滞納家賃など金銭を回収する際、裁判をショートカットできます(民事執行法22条5号)。

 

もっとも、これらのメリットは実務で通常行われている手続でほとんど代替可能といえるものなのです。

1:公的な証拠

契約書に付随する本人確認書類は、公的な書類であることが基本です。住民票や源泉徴収票、印鑑証明などにより契約成立の証拠となります。契約内容の証明は、2や3で補えます。

2:契約内容の確認

宅地建物取引士など不動産取引の公的資格保有者が契約の際に立ち会うことになるでしょうから、契約内容に問題がないか確認してもらえます。

3:契約書の保管

賃貸借契約の仲介業者を利用すれば、仲介業者も契約書を保管します。
公証役場での保管ほどでなくとも、紛失のおそれはさほどないでしょう。

4:滞納家賃などの回収

家賃や原状回復費用などの金銭は、敷金からある程度は回収できるでしょう。敷金で足りない分は連帯保証人や保証会社からの支払いで補えます。
なお、連帯保証契約では公正証書が求められる場合もありますが、事業にかかわるものに限られ、居住用物件であるアパートの賃貸借契約では公正証書の作成は不要です。
そして、執行証書は金銭請求でしか使えません。賃貸借契約の裁判でしばしば最も重要となる、建物の明け渡し請求などには利用できないのです。

 

<まとめ>

公正証書の作成には手数料がかかりますし、公証人役場に出向いて手続をする手間も無視できません。メリットがないとまでは言いませんが、通常は公正証書により賃貸借契約を締結する意義はほぼないでしょう。

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