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入居者トラブルに関するよくある質問

Q

建物明渡時に賃借人に貸室のクリーニング費用を負担させる旨の特約は有効ですか。

A
賃借人は、賃貸借契約の終了により、賃借物件の損傷を原状に復して返還する義務を負います(賃借人の原状回復義務。民法261条)。
賃借人が上記の原状回復義務を負うのは、原則として、賃借人の故意・過失によって生じた損傷についてであり、通常の使用等によって生じた損耗や経年劣化については原状回復義務の対象にはなりません。
そのため、賃借物件に賃借人の故意・過失による損傷や汚損がなく、賃借人が社会通念上通常といえる程度の清掃を行った上で明渡をしていれば、専門業者によるクリーニング費用を賃借人に負担させることは原則としてできません。
しかし、賃貸借契約の内容によっては、賃借人にクリーニング費用を負担させることができる場合があります。つまり、賃貸借契約の内容として、建物明渡時に賃借人に貸室のクリーニング費用を負担させる旨の特約を盛り込んでいた場合です。
ただし、そのような特約が常に有効になるというわけではありませんので、特約の定め方には注意が必要です。
借人に貸室のクリーニング費用を負担させる旨の特約の有効性は、様々な考慮要素から判断されますが、特に重要なのは、契約書で賃借人がどのような負担をすることになるのかについて具体的に明記しているかという点です。
たとえば、「クリーニング費用は、入居者の負担とする。」、「通常損耗や経年変化の修繕費用は、入居者の負担とする。」などと抽象的に記載した条項では、特約の有効性は認められません。このような条項では、賃借人が建物明渡時に負担すべき金額がいくらなのか分からないからです。
判例も、「建物の賃借人にその賃貸借において生ずる通常損耗についての原状回復義務・・・が認められるためには、少なくとも、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、仮に賃貸借契約書では明らかでない場合には、賃貸人が口頭により説明し、賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたものと認められるなど、その旨の特約(以下「通常損耗補修特約」という。)が明確に合意されていることが必要である」としています(最判平成17年12月16日)。
ですから、特約を有効とするためには、賃借人が負担すべき内容や金額を契約書に具体的に記載しなければなりません。たとえば、下記のような記載が考えられます。
「下記通常損耗や経年変化の修繕費用は、入居者の負担とする。
①明渡後の貸室全体のクリーニング費用 ○○○円
②・・・」
ただし、金額等を具体的に明記すればどんな内容でも有効になるというわけではありません。たとえば、通常のクリーニング費用の相場を大きく上回るような金額を定めた場合には、特約が無効または一部無効になる可能性がありますので、ご注意ください。
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