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不動産売買に関するよくある質問

Q

内金、手付金とは?それぞれ何が違うの?

A
わかりやすくいえば、内金は代金の前払い、手付金はそれに加えて「返金をあきらめれば契約を解除できる」など特別な効果を持つものです。
他にも、
・いつ支払うのか
・契約解除により戻ってくるのか
・相場(特に法律による上限の有無)
などに違いがあります。


●内金
内金は代金の一部を前払いするものです。法律ではなく社会的な慣行によるもので、法的効果としては「代金を支払った」以上のものはありません。
ただし、代金支払いは「契約の履行」という重要な意味を持ちます。手付金の解説でまた触れましょう。

支払いのタイミングは契約締結よりも後となります。ただし、より具体的なタイミングや支払う回数、金額などはケースバイケースです。建築業者との請負契約だと、工事費用捻出のために着工時など複数回にわたって内金を支払うこともあります(「着工金」「中間金」「棟上金」など)。

内金は契約解除により戻ってきます。契約に基づいて支払われた以上、契約を解除すれば返還義務が生じるためです。

金額の相場は一概には言えませんが、目安としては30%程度でしょう。ただし、法律により上限が定められているわけではなく、代金の支払い回数にも左右されます。相手方の担当者によくご確認ください。


●手付金
不動産取引では、契約締結と同時に、総額の5~20%ほどの手付金を支払います。
手付金の相場ですが、売買契約では法律により上限が20%とされています(宅地建物取引業法第39条1項)。

手付金も最終的には代金の一部となりますが、それのみならず特別な効果を持ちます。そのなかでも、契約違反がなくても契約を解除できる「解約手付」が最大のポイントです。
本来、契約解除には相手方の契約違反が必要です。しかし、解約手付を支払うことで、契約違反がなくとも、買主が返金を放棄するか(手付放棄)、売主が二倍の金額を払い返すこと(手付倍返し)により契約を解除できるようになります(民法第557条)。

手付解除のタイミングには「相手方が契約の履行に着手した後」はできなくなるという制限があります(民法第557条1項ただし書き)。
たとえば、売主や建築業者からすると、内金の支払いは代金の一部払いですから履行の着手に当たり、それ以降は手付解除ができなくなります。
もっとも、内金支払後でも買主や発注者側からは手付解除できますし、内金の返還請求も可能です。

なお、手付金は払うと二度と戻らないわけではありません。契約違反があったことを理由に契約が解消されたときは、返金を求められます。
[質問 101]
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