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Q

新防火地域とは?

A
新防火地域とは東京都内特有の防火規制区域のことです。

もともと、防火地域や準防火地域などによる防火規制が全国的に実施されています。
しかし、東京都は木造住宅が密集し地震による火災の危険が高いため、防火地域と準防火地域の中間的な地域を追加して、より柔軟に規制できることが求められました。
その結果、2003年(平成15年)、都知事が新防火地域を新たに指定できるようになったのです(東京都建築安全条例第7条の3)。
新防火地域に指定された区域は、東京都都市整備局の「新たな防火規制の指定区域図」に記載されています。


<規制内容>
新防火地域内の建物は、おおまかに、
・延べ面積500㎡超または4階以上の建築物
:耐火建築物
・延べ面積500㎡以下かつ3階以下の建築物
:耐火建築物または準耐火建築物
としなければいけません。

耐火建築物とは、非損傷性・遮熱性・遮炎性を備え、火事になっても周辺に燃え移る「延焼」や倒壊のリスクが少ない建物です。
防火の観点からみて建築物の骨格となる「主要構造部」、つまり壁や柱、屋根などを、鉄筋コンクリート造や耐火被覆をした鉄骨造などの「耐火構造」とします。
木造でも技術発展により耐火構造と認められる余地はありますが、基本的には耐火構造と認められにくいことに注意が必要です。

新防火地域にある延べ面積500㎡超、そこまで広くない建物でも4階以上といった大きな建築物は、必ず耐火建築物にしなければいけません。

一方、新防火地域にあっても、延べ面積500㎡以下かつ3階以下の比較的小さな建物は、準耐火建築物でも構いません。
準耐火建築物では、木造建築物が基準を満たしやすくなっています。
主要構造部を木造としても、耐火被覆など耐火構造に比べれば簡単な防火対策を施せば、「準耐火構造」と認められるからです。

なお、耐火建築物にせよ準耐火建築物にせよ、防火設備等の設置も要求されます。
たとえば、玄関や窓などは、火が外に出て周囲に燃え広がる通り道になってしまうことがあります。そのようなおそれがあれば、鉄製の扉や網入りのガラス窓といった防火戸を設置します。


<まとめ>
新防火地域で新築・一定規模以上の増築をする際は、ほとんどの場合、準耐火建築物以上の耐火能力が求められます。

東京都の条例による規制ですから新防火地域自体は東京都内にしかありません。
ですが、同じように木造建築物が密集している大阪市などにも似たような規制がありますし、相次ぐ震災を受け、東京都内における新防火地域の新たな指定はもちろん、東京都以外の都市部でも新防火地域のような規制が広まっていくことも考えられます。

建物を新築・改築するときは、区役所等のホームページや電話による問い合わせをして、防火規制が厳しくなっていないか確認しておきましょう。
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