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入居者トラブル

賃貸契約者以外の入居|借りる人と住む人が違うと問題がある?

賃貸物件で生活している中で、「最初は自分だけ住んでいたけれど、恋人との同棲が始まった」「知人・友人とルームシェアを始めた」というケースがあります。

このように、途中から契約者以外の人が同居する場合にはどのような法律上の問題があるのでしょうか。

また、例えば「子どものために親が契約し、子どもが住む場合」や「親のために子どもが契約し、親が住む場合」など、家族同士でも契約者と実際に住む人が異なる場合には何か問題が生じるのでしょうか。

1.同居人が増えた場合に問題となるケース

まず「同居人」といえるためには、賃貸物件に生活の基盤を置いていると言えなければなりません。
例えば、家賃の一部を支払っている、生活に必要な費用を一部負担している、毎日のように賃貸物件で寝泊まりしている等の事情です。単に数日間「友達の家に泊まりに来ている」という場合には、同居人とはいえません。

さて、複数人が同居することが前提であるファミリーマンションや、その後の同居を前提として契約した場合であれば、後から同居人が増えても大きな問題となることはないでしょう。

特に問題となるケースとしては、一人の者が居住することが前提で契約する単身者向けの賃貸物件ということになります。

同居人が増えたら、同居人は家賃の負担などをするケースが多いです。
賃貸物件のオーナーとしては、家賃の確保がより確実になるという面でメリットがありそうですが、一般的にはこのように考えられていません。

なぜならば、単身者向けの賃貸物件で複数人が居住する場合には、一人で居住するよりも物件の損耗が大きく、物件の価値を低下させるおそれが大きいからです。

加えて、防犯の関係上、賃貸物件で何かしらの問題があった場合に、賃貸物件のオーナーが同居人の存在を把握できず、対応できないなどの事態も想定できます。

2.無断で同居人を居住させていた場合はどうなる?

では、無断で賃貸契約者以外が入居した場合は、どのような問題が発生する可能性があるのでしょうか。

(1) 賃貸借契約を解除され、退去の可能性

賃貸物件のオーナーや管理会社の同意なく同居人を居住させていた場合には、賃貸借契約に違反することから、民法上の解除の規定により、契約の解除・退去をさせられる可能性があります。

民法第541条
当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

単身者向けの物件であれば、契約上同居人が増えることを禁止する条項があるでしょう。また、契約上明記されていなかったとしても、単身者向けの賃貸物件であれば同居人が住むことは契約上予定されていないことから、これに反して同居人が住むことは賃貸借契約に違反することとなり、民法第541条により解除されるおそれがあります。

しかし、建物賃貸借契約の場合には、契約に違反したからと言ってただちに契約を解除され、退去させることは認められていません。

判例において、長期的な契約となる賃貸借契約を解除する場合には、単に契約の違反があったことでは足りず、「信頼関係が破壊された」といえる場合でなければ解除の効力が認められていないためです。

しかし、例えば「同居人が建物の使用規則を守らない」「同居人が夜中に毎日騒音を立てる」「迷惑行為を止めるように催告をしたのに改まらない」など、同居人の居住により信頼関係が破壊されたと明らかに認められる場合には、民法第542条第1項第5号により、契約解除が認められる場合もあります。

[参考記事] 勝手な多人数居住(ルームシェア)の賃貸借契約は解除できる?

(2) 損害賠償の請求がされる可能性

また、同居人の居住によって賃貸物件のオーナー等に損害が生じた場合には、賃貸借契約を解除され、退去させられる上に、生じた損害の賠償を請求されることがあります(民法第545条第4項、第415条1項)。

3.同居人と居住するための手段

では、上記のようなトラブルを回避して同居人と居住するにはどうすれば良いのでしょうか。

(1) 賃貸物件のオーナーや管理会社の同意を得る

当然のことですが、複数人が居住できる物件で同居人が増える場合には、賃貸物件のオーナーや管理会社に通知して、同居することについての同意を得る必要があります。

同意の際の手続きは物件により様々ですが、通知した後に契約書を改定するなどの場合もあるようです。

また、この場合には、賃貸物件のオーナーや管理会社から家賃を引き上げたいとの交渉がある場合もあるようです。既に解説しましたが、これは居住者が増えれば物件の損耗がより大きくなることが理由です。

もっとも、既に解説したように単身者向けの物件では、通知してもその後の同意を得ることは期待できない場合が多いようです。

(2) 引っ越しを検討する

賃貸物件のオーナーや管理会社の同意を得ることのできない場合には、引っ越しを検討することもやむを得ません。

密かに同居人を住まわせようと考える方もいらっしゃるかと思いますが、法律上のリスクがあるためこれはお勧めできません。

4.実際に住む人と契約者が違う場合

では、「親が未成年の子どものために」「成人の子どもが高齢の親のために」契約を代わりにした場合はどうなのでしょうか。

(1) 代理の場合

法律上、代理(民法第99条)とは、契約者本人に代わって、代理人が契約の相手方である賃貸物件のオーナー等と契約することを言いますので、賃貸借契約は契約者本人に効果が生じることとなります。

そのため、親が子どものため、子どもが親のために代理として契約する場合は、契約者は代理した者ではなく、実際に住む本人が契約したこととなります

(2) 実際に住む者と契約者の名義が異なる場合

上記の場合ではなく、「契約者が親で実際に住むのは子ども」又は「契約者が子どもで実際に住むのは親」などの場合には、転貸借にあたると判断される場合があります。

転貸借とは、借りた物件を更に第三者に貸渡すことをいいます。

民法第612条第1項では、承諾のない転貸借は法律上禁止されていることが明らかです。
また、この規定に違反した場合には、同条第2項により、契約の解除をすることができると規定されています。

民法第612条
第1項「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。」
第2項「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。」

すなわち、代理ではなく契約者と実際に住む者が異なる場合には、賃貸物件のオーナーは催告をせずに賃貸借契約を解除することができます。

親族間といっても転貸借に代わりはありませんので注意が必要です。

【未成年の子の代わりに親が契約する場合】
未成年者は単独では有効な契約ができないことから(民法第5条第1項)、基本的には親が契約者となります。このケースは契約上想定されていることなので特段問題にはなりません。
なお、未成年者の契約の場合は「実際に住むのは未成年者で、契約者は親になる」ケースの他にも、「親の同意を得て未成年が契約をする」ケースがあるでしょう。仮に未成年者が親の同意を得ずに単独で賃貸借契約を結んだ場合、その契約は無効となります。また、未成年者が自身の名義で契約を結ぶ場合、親権者を連帯保証人に立てるよう求められることが多いです。

5.まとめ

複数人が居住することを前提とする契約や物件であれば大きな問題とはなりませんが、単身者向けの物件では同居人が増えることは問題となり得ます。

同棲・同居を開始する際には、賃貸物件のオーナーや管理会社に通知して、同居人が増えることについて同意を得る必要があります。同意を得られない場合には引っ越しを検討せざるを得ません。

また、契約者と実際に住む者の名義が異なる場合には、転貸借になり問題となります。

賃貸契約者以外が同居をする場合は、トラブルに発展しないためにも大家さんなどの管理側にしっかりと相談をするようにしましょう。

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