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不動産の相続

不動産による相続税対策の有効性

相続税対策の中でも不動産の取得が有効だという事は一度は聞いたことがあるかと思います。
ただ、その仕組みを正確に理解できている人は少ないのではないでしょうか。

今回は、不動産の取得により相続税が軽減される仕組みや本当にメリットがあるといえるかについて解説していきます。

1.土地の評価方法

最初におさえていただきたいことが、現金のまま相続するより、不動産に変える方が相続税の負担が軽減されるという事です。

相続税を計算する際には、亡くなられた人が持っていた財産を財産評価基本通達という財産評価のルールに従ってそれぞれ価値を算定しなければなりません。

そのルールによれば、例えば現金2億円をもって亡くなった場合の現金の評価額は2億円になりますが、その2億円で不動産(建物5千万円、土地1億5千万円)を購入した場合の評価額は、最大で6,490万円まで下がる可能性があります。

このようなことが起こる原因は、相続税の計算の際に用いられる不動産の評価方法にあります。

土地の評価方法は路線価が定められているかどうかにより、路線価方式と倍率方式に分けられます。

(1) 路線価方式

土地が面している道路に路線価という1㎡当たりの標準的な価格が定められています。

その路線価に土地ごとの形状の違いによる各種補正を加味して、それに土地の面積を掛けることにより土地の価格を算定する方法となります。

(2) 倍率方式

路線価が定められていない土地は、土地の固定資産評価額に一定の倍率をかけることにより評価されます。一定の倍率は、国税庁のホームページで地域ごとに定められています。

また、固定資産税評価額は毎年5月ごろ不動産の所有者に送られてくる固定資産税納税通知書に記載されております。

2.建物の評価方法

建物の評価方法は、固定資産税評価額がそのまま相続税を計算するための評価額になります。

ここでおさえていただきたい点は、一般的に土地はどちらの方法で評価しても実売買相場の概ね8割の価格になるよう設定されている事と、建物の固定資産税評価額は建築内容によりますが建築価格の40%~60%になる事です。つまり、現金で持っているより不動産として持っている方が相続税対策という点では有利なのです。

これだけでも相続税対策という点では有効なのですが、不動産の評価額はまだ減額される余地があります。

3.賃貸経営によるさらなる評価額の減額

上記の様に不動産を購入するだけでも相続税額を軽減する効果はあるのですが、その不動産を他人に貸すことによりさらに土地で約20%前後(正確には、借地権割合と借家権割合を乗じた割合となります)、建物で30%さらに評価額が下げられます。

それは不動産を他人に貸すことにより不動産の所有者の利用が制限されていると考えられるためです。

4.小規模宅地等の特例

亡くなられた人のご自宅や事業(店舗や賃貸経営)に使われていた建物の敷地を、その人の親族が取得した場合には、宅地の評価額を一定面積までは最大80%まで減額することができる制度です。

  • ご自宅に使われていた建物の敷地:330㎡まで、80%減額
  • 事業(賃貸事業以外)に使われていた建物の敷地:400㎡まで、80%減額
  • 事業(賃貸経営)に使われていた建物の敷地:200㎡まで、50%減額

このように大きく相続税評価額を軽減できる規定なのですが、この規定の適用には様々な厳しい要件がありますので、適用を検討される場合には専門家へ相談をおすすめします。

5.不動産を購入した場合の相続税評価額シミュレーション

ここで2億円の現金を持っている人が、土地1億5千万円と建物5千万円を購入してアパート経営をした場合不動産の評価額がいくらになるのかを見てみましょう。

  • 土地の相続税評価額
    1億2千万円×79%×50%=4,740万円
    ※路線価方式で評価した価格を購入価格の80%と仮定
    ※貸家建付地評価 借地権割合70% 借家権割合30%と仮定
    ※小規模宅等の特例が適用可能と仮定
  • 建物の相続税評価額
    2,500万円×70%=1,750万円
    ※建物の固定資産税評価額が購入価格の50%と仮定

土地と建物の相続税評価額を合わせると6,490万円になり、相続税評価額が現金で2億円所有していた場合から約1億3千万程減少している事になります。

これを相続税額で考えますと、2億円の現金をそのまま所持していた場合の相続税額は最大で3,340万円になりますが(続人を二人とし、配偶者の税額軽減を考慮しない場合)、その現金を不動産に変えることにより10分の1以下の240万円程度まで相続税額を減額できる可能性があるという事になります。

現実的にはお持ちの現金をすべて不動産にしてしまうと、遺産分割や納税資金の問題が生じます。

その為、相続税対策として不動産の購入を検討される際は、まずは専門家に相談されることをお勧めします。

6.まとめ

不動産を取得することは、相続税額の負担を軽減するという点ではとても効果的だという事がお判りいただけたかと思います。

ただ、この効果に着目してアパート経営を始める方が多いのですが、後悔されている人も多いというのが現状だと思います。

日本の人口は2004年の約1億3,000万人をピークに2050年には9,500万人まで減少していくことが予想されております。住宅の借り手は少なくなっていくはずです。

さらに不動産経営には皆様が考えているより様々な経費や税金がかかりますし、借入金で不動産を購入していれば、たとえ入居者から家賃が入らなくてもその返済を続けていかなければなりません。

アパート経営の現金収支をよくよく計算してみると、良くてプラスマイナス零でしたり、下手をすればマイナスという事態がおこり、相続税額は軽減できたが実際はそれ以上にお金と時間を失ってしまうということが往々にして起こります。ご検討いただく際は綿密なシミュレーションの上進めていただければと思います。

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