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不動産売買

土地売買契約書の面積と実際の面積が異なる場合、返金してもらえる?

土地を購入する場合には、一般的に、土地の面積に坪単価を乗じる方法によって売買代金が決定されることになります。

しかし、土地を購入後、実際に測量してみたところ、登記簿上の面積よりも実際に測量した面積の方が少ないということがあります。

土地の買主としては、実際の土地の面積で計算した金額よりも多くの土地代金を支払っていることになりますので、このままでは納得できないということもあるでしょう。

このような場合、登記簿上の面積と実測面積との差額について、買主は代金の返還を求めることができるのでしょうか。

今回は、契約した面積と実際の面積が異なる場合の売買代金返還の可否について説明します。

1.面積の違いが生じる理由

登記簿上の面積と実際に測量した面積が異なってしまうのは、実は土地の売買方法に関係があります。

(1) 公簿売買と実測売買

土地の売買契約においては、一般的に売買対象となる土地の面積を基準として売買代金を決定します。
そして、売買代金決定の基礎となる土地の面積を決定する方法として、「公簿売買」と「実測売買」という二つの方法が存在します。

①公簿売買

公簿売買とは、登記簿上の面積(公簿面積)を基準として売買代金の額を決定する方法をいいます。

公簿売買のメリットとしては、土地の測量に要する費用を節約することができるという点です。

土地の面積を正確に求めるためには、境界を明確にしなければなりませんので、そのための資料収集や隣地所有者との交渉に手間と費用がかかります。また、土地の広さや形状などによっても測量に要する手間が変わってきますので、測量費用は数十万円というものから100万円を超えることもあります。

これらの測量費用は土地の売買代金に上乗せされてしまうことがありますので、できるだけ安く土地を手に入れたいという方にとっては、公簿売買が最適な方法といえるでしょう。

公簿売買は、測量するのが困難な山林や敷地面積が広い物件など面積の誤差による価格の違いよりも測量費用の方が高くつく場合に利用される方法といえます。

②実測売買

実測売買とは、実際に測量などによって計測した面積(実測面積)を基準として売買代金の額を決定する方法をいいます。また、登記簿上の面積を基準として売買代金の額を決定するものの、後で実測面積による金額との差額を精算するという方法も実測売買です。

実測売買は、公簿売買と異なり測量費用の負担が生じるというデメリットがありますが、測量を行うことによって隣地所有者との境界が明確になりますので、境界の認識の違いによる隣地所有者とのトラブルが起こりにくくなります。

また、実測売買では、売買対象となる土地の面積と実際に利用することができる面積が同じですので、面積の増減に関する売主と買主との間のトラブルを防ぐことが可能になります。

(2) 公簿売買で面積の誤差が生じる可能性

購入した土地の面積が契約書に記載のある面積と異なってしまうケースは、主に公簿売買の場合に生じます。

公簿売買は、「不動産登記簿という公的な書類をもとに土地面積を決めるのであるから、誤差なんて生じないのでは?」と思う方も多いかもしれません。
しかし、公的な書類である不動産登記簿の面積自体が正確でないことがあるため、このような問題が生じてしまうのです。

昭和35年に不動産登記法が改正され、未登記の土地を新たに登記する場合や土地を分筆するなどの場合には、地積測量図を作成しなければならないとされました。

地積測量図の作成が義務付けられたのは、昭和35年以降のことですので、それ以前に登記された土地で分筆も変更も行われなかった土地については、地積測量図は存在しないことが少なくありません。

そのため、古い時代の測量技術に基づいてなされた不正確な土地面積がそのまま現在の不動産登記簿に引き継がれてしまっているため、実測面積との間で誤差が生じてしまうのです。

もっとも、昭和35年以降に登記されたものであれば正確な面積であるというわけでもありません。当時は、地積測量図を作成する際には、現在のような「CAD」を用いていたわけではなくすべて手書きで行われていたため、測量精度は現在に比べて低いものでした。

また、残地法によるいわゆる「縄伸び」や「縄縮み」も生じていましたので、地積測量図があるからといって、登記簿上の面積が信用できるとは限りませんので注意が必要です。

比較的新しい時期に作成された地積測量図でない限りは、公簿面積と実測面積との誤差を疑ってみた方がよいかもしれません。

2.返金が受けられるケース

登記簿上の面積と実際に測量した面積が異なっていることが判明した場合には、どのようなケースであれば売買代金の返金を受けることができるのでしょうか。

(1) 実測売買であれば返金請求は可能

実測売買では、土地の売買契約締結時に土地の測量が完了している場合とまだ完了していない場合の2つのケースがあります。

売買契約締結時に土地の測量が完了している場合には、実測面積によって売買代金が決められていますので、面積の齟齬が生じるということは考えられません。
そのため、実測売買で面積の齟齬が生じるのは、土地売買契約締結時に土地の実測が完了していないという場合です。

この場合は、一旦公簿面積を基準に土地の売買代金の額を算定し、その金額で売買契約を締結します。そして、引渡しまたは決済までの間に測量を行い、実測面積と公簿面積に齟齬が生じた場合には、差額を精算するという方法がとられます。

そのため、契約書には、実測面積が売買契約書記載の面積と異なる場合には、売買代金の増減、清算を行うという内容の条項を設けるのが一般的です。

土地の買主としては、実測面積が公簿面積よりも少なかった場合には減額や代金返還請求をすることが可能ですが、反対に実測面積が公簿面積よりも大きかった場合には、売主から増額や追加代金の請求をされる可能性もありますので注意が必要です。

(2) 公簿売買では原則として返金請求はできない

公簿売買の場合には、公簿面積と実測面積との間に誤差が生じることがありますので、公簿面積よりも実測面積の方が小さいということが起きます。

しかし、一般的な公簿売買の契約書では、このような面積の誤差が生じることを想定して、公簿面積と実測面積との間に誤差が生じたとしても売買代金の精算を行わない旨の条項が入っています。そのため、公簿面積と実測面積との間に誤差が生じたとしても、原則として、その差額分の代金の返還を求めることはできません。

もっとも、公簿面積と実測面積との誤差があまりにも大きく、建蔽率などの関係で買主が想定していた建物の建築ができないなど契約当初の目的が達成できないという場合には、例外的に錯誤を理由として契約を取り消して、売買代金の返還を求めることができる可能性もあります。

どのような場合に錯誤による取消しを主張することができるか、許容範囲はケースバイケースなので、一度専門家である弁護士に相談をしてみるとよいでしょう。

3.トラブル回避のために売買契約時に気をつけること

土地の売買契約においてはさまざまなトラブルが生じることがあります。
売買金額も大きいため、トラブルが生じた場合の損害も非常に大きなものになります。売買契約時には以下の点に気を付けるようにしましょう。

(1) 契約書の内容を十分にチェックする

土地面積の齟齬によるトラブルを回避するのであれば、公簿売買ではなく、実測売買を選択するとよいでしょう。
実際の売買が公簿売買であるか実測売買であるかは、契約書や重要事項説明書に記載されていますので、そちらを確認してみるとよいでしょう。

また、実測売買であったとしても、土地の測量時期によっては契約書上の土地面積と実測面積との間に齟齬が生じることがあります。

その場合には、後日精算を行うことになりますが、精算時の坪単価をいくらにするかでトラブルになることもありますので、その点も明確にしておくようにしましょう。

(2) 現地に行って実際の土地を確認

公簿売買であれば登記簿上の面積を基準に土地の売買を行うことになるため、公簿面積と実測面積との間に齟齬が生じやすくなります。土地購入後に想定していた建物が建てられないという事態を避けるためにも、実際に現地に行って実際の土地の広さを確認してみることをおすすめします。

測量をしなければ正確な面積はわかりませんが、実際に自分の目で見て確認することによって、公簿面積との大幅な差異がないかどうかについては把握することができる可能性があります。

(3) 気になる点は売主や仲介業者に確認

土地の売買契約は、非常に高額な取引になりますので、少しでも疑問があるのであれば、売主や仲介業者に確認することをおすすめします。

疑問を抱いたまま取引を進めてしまうと、「こんなはずじゃなかった」など思わぬ不利益を被ることもあります。契約後だと解除や取消をすることが難しくなってしまいますので、疑問を解消し、十分に納得してから契約をするようにしましょう。

4.まとめ

実測売買も公簿売買もそれぞれメリットとデメリットがあります。

どちらの売買方法がよいかは具体的な状況によって異なるため一概にはいえませんが、将来トラブルにならないようにするためには、契約内容を十分に確認し、納得した上で契約をするということが重要になります。

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